今勤めている病院に勤めている2年目の看護師さんの中には、いろいろな事情や悩まれ「クリニックに転職したいな」とお考えの方もいるでしょう。

しかし、なかなか相談しにくいですし、相談しても転職を考え直すようように言われてしまうことも多く「クリニックの転職のホントにところがわからない!」なんてお思いではありませんか?

そこで今回は、2年目看護師さん向けにクリニックに転職するにあたり気になる疑問や不安についてお伝えしたいと思います。

Q.2年目の途中だけどスキル的にはやっていけるのかな?

クリニックの診療科によっては内視鏡介助やギプスカットなど特殊な看護業務ありますが、どのクリニックでも主に必要となる看護技術は、採血や点滴挿入、バイタルサイン、要点を得た問診、接遇といってもいいでしょう。

採血手技

まず採血ですが、今までに自立して行えていた方は問題ありません。しかし、採血方法には「シリンジによる方法」と「真空管採血」がありますが、クリニックによってはどちらか一方の場合もあります。

両方行えるのが望ましいですのが、就職を考えているクリニックは行ってみないと(情報を得ないと)わかりませんので、それまでに看護技術のテキストやEランニング等を利用して、手技を復習しておくことおススメします。

点滴挿入

今大学病院などでは、点滴挿入は医師の仕事であったり、○年目以上で院内で認められた研修を受け「点滴挿入をしてよい看護師」と認められた看護師しかできない病院も増えてきています。

一般病院等で点滴挿入も自立して行ってきた方は問題ありません。クリニックでの点滴時間は長くても2時間程度なので翼状針で点滴することがほとんどで、血管のもろさや挿入する血管の場所によっては留置針を選択しますので翼状針の使い方も復習しておきましょう。

点滴挿入に自信のない・経験のない方で「やったことありません。自信ありません」の状態のまま転職することはあまりお勧めできません

しかし、「やったことがない・自信がないので転職までに復習はしています」というやる気を見せることはあり!です。

転職活動をしながら、看護技術のテキストを見る、Eラーニングを受ける、看護協会で復職支援の講座で看護技術を学べる機会がありますので(復職ではないですが)参加してみる、今の職場の先輩に「新人研修で習ったきりなので、先輩点滴を教えてくさい!」なんて言って見学の機会を増やしたり、先輩の腕借りちゃうのもいいと思います。

点滴挿入に自信のない方は、即戦力を求めるクリニックよりも教える体制の整っているクリニックに転職すると失敗ないでしょう。

バイタルサインと問診

病院で勤めてきた方なら何ら問題はありません。しかしどうしても1人の患者さんに時間を変えられずスピード勝負が求められるのがクリニックです。

どうしてもなにか心配な点や自信のない点がありましたら、今のうちから克服するように意識してみたらいかがでしょうか。

私事ですが、血圧測定の時にステートの耳に当てる向きをいつも間違えては、「聴こえないで何度も測定する。聴こえない。焦る・・・」こんなことを2年目でよくやり、時間ばかりかかるし焦るし、でもステートの向きが違うとなかなか自分で気づけないんです。検温が嫌でした。

イヤーピース半分に色を塗って間違えないようにする工夫して、克服したこと思い出しました(苦笑)

接遇

病院ではたくさんの医療者の中の1人でしたが、クリニックは看護師はもはやそのクリニックの顔といっても過言ではないでしょう。

どうしても人間ですから通われる患者さんの中には難癖つけてくる人もいます。難しい患者さんの対応に自信ないなと思われる方もいると思いますが、まずはあなたのその謙虚さを忘れずにいてくださいね

難しい患者さんの対応も勤務しているうちに慣れてどう対応したらよいかわかってきますし、あちらもだんだんと心をひらいてきてくれますから。

クリニックは当然病院と違って看護問題を挙げることもありませんし、複雑な技術もありません。しかし、看護師はクリニックの顔です。

たくさん通われている患者さんのわずかな体調や精神的な違いをものの数秒、数分でキャッチし、そこから「今日はなんだかいつもより元気なさそうよ?」とか「もしかして本当はまだ痛みつらいんでしょう?」など些細なほんの一言の会話を通して、患者さんの真のニーズをキャッチする場と私は思います。

私の意見としては、仕事に謙虚で前向きな1年目、2年目の看護師さんほど、「患者さんの何かいつもと違うな?」と気づく力に長けていると思っています。

2年目看護師がクリニックに転職したら経歴に傷がつかないかな?

今読んでくださっている2年目看護師さんは、職場の人間関係で心底なやんだり、業務内容に悩んでいるなど、何らかの事情でクリニックへの転職を考えてくださっているのでしょう。

確かに2年目で転職となると、「物事に継続性のない人」と解釈されてしまうのではないかと不安にお思いではないでしょうか。

また先輩や同僚にクリニックを転職をしても相談しても、「今やめたらどこでも続かない人と思われちゃうよ」なんて言われてしまう事もあったのではないでしょうか。

しかし、実のところどうでしょうか。

「経歴に傷がつかないかな」と悩まれているということは、今の職場で続けていくには、相当のエネルギーを使ってきて心身共に疲労困憊なところまできているのだとお察しします。

質問ですが、今読んでくださっているあなた、「最近顔が斜め下を向いていること」・・・多くありませんか?

おそらく、「職場に行こうと思うと憂鬱になる」、「勤務の前の晩は寝つけない」、「職場に近くなるとドキドキしてくる」、など何らかの身体症状も出ているのかもしれません。これは精神衛生上よくありません。我慢して我慢して心の病に発展することも否めません。

一度発症したこころの病は再発するリスクも高く、療養と看護の仕事の両立も難しくならざる得なくなるでしょう。

経歴に傷がつくことを恐れて、身も心もボロボロになってしまう前に、自分に合う職場や環境であるクリニックへの転職をおすすめします。

2年目で確かに転職はした。2年目看護師で転職の事実ができた。けれど・・・

転職したおかげで、「活き活きと仕事ができ、目の輝いているあなたが、やっぱり看護って楽しいね!」と心の底から言えることの方がよっぽど素敵に思います。

クリニックは勉強にならないっていうけど、やっぱりそうなのかな?

確かにクリニックは、病院のように透視下での処置や、CV挿入、気管内挿管などの特殊な技術はありません。病院のように勉強会が多く開催されているわけでもありません。

ですから勉強材料が与えられる病院からクリニックを見ますと、確かに研修を受けるチャンス、特殊な処置の介助につくチャンスは少なくその点では勉強にならないと言えるのかもしれません。

でも、私は、クリニックだから勉強にならないなんて一切思っていません。むしろ、そのように言われることは個人的には失礼に感じてしまいます。

エドガー・デール Edgar Dale が提唱した「学習効果のピラミッド」では、講義では結果的に内容の5%しか頭に入らないとわかっています。一番学習効果のあることは、他者に教えることなんです。

業務終了後に疲れた体で勉強会に参加し聴講していても、あまり学習効果は得られにくいのはお分かりですよね。

ならば、クリニックで自分の生活スタイルを確保し、自分の学びたい分野を徹底的に勉強するほうが、よほど身に付くのではないでしょうか。

私は、大学院に通い始めた時から、クリニックで働いています。自分の時間を確保しやすく、また院長先生も大学院のスケジュールに合わせて勤務を考慮してくださり大変助かりました。

何より、クリニックにパート勤務しながら通っていた院生仲間が多かったのも事実です。

大学院に進学したり、クリニックに勤務しながらも学会での発表もできますし、あなたが勉強する気さえあれば、病院でもクリニックでもどこで就職したって勉強できるんですよ。

私の好きな日本のプロサッカー選手の本田圭佑選手はこのように言っています。

「どこでプレーしても俺の成長はあるわけで。」

本田選手の言葉を借りるとしたら、「どこで看護しても私の成長はあるわけで。」

さいごに

私が2年目の頃は、「まだまだ看護技術も自信ないし、経験していないことも多い。わからないことも多いのに1年目の頃のように、質問しにくい。

アセスメントもよくわからないのに、先輩だなんて言われても不安だよ・・・。」と思っていました。とにかくものすごく何かに焦って看護に不安と恐怖を抱いていたのを思い出します。

この状況から逃れたくて先輩や主任さんに当時の私も転職の相談をしましたが、帰ってくる言葉は、「3年はいないともったいない。」「今やめたらどこに行ってもまたやめるだけ。」「忍耐が足りないのよ」と言われ、泣きながら仕事をして、帰り道も泣いて帰り我慢して耐えていたのを思い出します。

正直、今となっては、我慢して続けていたのが良かったのかわかりません。

大げさですがもし、あす交通事故などでこの世を去ることになったらと考えると、「私は1日でも1分でも多く看護って楽しいと笑って断言していたい」と考えます。

もしもまわりの意見に自分の思いがかき消されているようでしたら、今一度、「その病院で看護が今後も楽しいと思えるか、楽しくやっているモデルとなる先輩の存在があるか」振り返ってみて下さい。

自ずと、自分がどの道がひらかれるのではないかとおもいます。