3年間のお礼奉公や3年以上勤務で退職支給などの条件により、3年目の看護師の方はないかと転職をお考えではないでしょうか。

その中でもクリニックへ転職を考えている方も多いことと思います。

しかし3年目看護師がクリニックに転職する際、病院勤務と違ってお給料や仕事内容など気になることも多いのではないでしょうか。

そこで今回はそんな気になる疑問にアドバイスをお伝えしたいと思います。

なぜ、クリニックに転職したいのか明確にしよう

まず、理由と目的、クリニックに転職した後の目標を明確に口で説明できるようにしておくことが大切です。

よく言われるのは、「クリニックは楽だからいいじゃん」です。

確かに夜勤もなく、看護計画や看護計画の評価、面倒な委員会活動も半強制的な興味のない勉強会の参加等もありません。

はじめに言います。「楽だから」という安易な考えでクリニックに転職することはお勧めしませんよ。

多かれ少なかれ、どの看護の仕事も楽しくあり、大変なことはあります。

クリニックは和気あいあいと仕事ができる反面、少人数のスタッフで助け合って運営していますから、少人数である故発生する人間関係の問題も起こりえます。

また仕事自体は難しくありませんがスピードやそのクリニックの方針に沿った患者さんへの対応や医師への配慮、時には看護師ですが医療事務の仕事もしたり、あいている時間を使ってクリニックの運営に必要な発注業務をしたり、業者連絡をしたりと臨機応変な対応が求められます。

看護助手さんや清掃スタッフ、施設の修繕などしてくれる施設課などがそろっており、看護師の仕事だけしていればよいのは、病院だけ とイメージしていただけたらと思います。

しかし、業務が複雑ではないですが、クリニックのスタッフ顔として、また、少ないスタッフの中での医療者の一人としての責任がありやりがいもあります

夜勤もなく休みも固定されていえるため、自分の時間を有効に使うこともでき、自分のライフスタイルを充実させることもできます。

ちなみに私は、クリニックに転職を決めたのは、仕事はそれなりにこなしていましたが、やはり休日も勉強会などに参加し自分の時間を大切にしたいと思ったからと、大学院に進学したかったからです。

職場は大学院への進学を認めてくれず、通学できる環境を整えてもらえませんでした。

思い切って転職した結果、、大学院の講義やゼミなどに参加できるようパートタイムで採用してくださり、自分のやりたいことができていると思います。

なんでも職場でいろいろ勉強したい、大きな組織で働きたい、いろんな人と交わって仕事がしたいという方にはクリニックは向いていませんが、少人数のなかで和気あいあいあと仕事がしたい、自分のライフスタイルを確立したいという方にはクリニックをおすすめします。

看護師経験3年目でどうしてクリニックに転職したいのか、その理由と目的、目標をきちんと自分に向き合い言えたなら、クリニックでの仕事が楽しいものになるといっていいでしょう。

一般的なクリニックの場合、年収は下がる可能性が高い

3年目の看護師の夜勤有りの病棟勤務の場合平均的な年収は450万円前後といわれています。

しかし夜勤がない一般的なクリニックにおいては年収380万円前後、有床診療所では450万円前後、美容クリニックなど多くの自由診療を手掛けるクリニックでは430万円前後といわれています。

クリニックに転職する際には、収入は下げたくないのか、自分の生活スタイルに合った仕事をしたいのか、今の仕事で感じているストレスなくスムースな仕事をしたいのか、まず何を優先するのか考えましょう。

今の生活レベルは下げたくないけど、自分の働く収入以外に収入の柱がない方は、美容系クリニックや有床診療所などクリニックでも高給与なところを検討する必要があるでしょう

今の仕事で感じているストレスなくスムースな仕事をしたい方は、転職前からお金の使い方をある程度見直すことをおすすめします

どうしてもお給料が下がってしまうのは、勤務形態から仕方ありません。支出を見直し、節約できるところはないか一度把握することは、今後のマネープランにも役立つと思います。

余談ですが、私は簡単な副業や、大学院の余裕のある時は単発のアルバイトを月に数回いれるなどをして、少しでも足しにしています。

また私のクリニック看護師仲間には、ヒーラーさんとして週末だけ活躍する人や、ハンドメイド作品をインターネットで売ってる人、バンド演奏して副収入を得ている人などなどいますよ。

リーダー業務に自信がなくてもクリニックの業務はこなせる

3年目看護師と言ったら、リーダー業務も始まり、何かとリーダーの責任も大きく、日々研鑽なさっている毎日ではないでしょうか。

しかし不慣れであったり。さまざまな事情でリーダー業務にまだ従事できていない方もいらっしゃり、不安に思う方もいることでしょう。

クリニックではどちらかというと、そのクリニックで経験の長いスタッフがリーダーのように采配していることが多いです。

もちろんリーダー業務を経験している方が、いろいろ仕事の采配やまわりのスタッフとの連携も取りやすいかもしれません。

しかし、クリニックに転職してすぐにまわりのスタッフと仕事の進捗状況を確認しながら仕事するわけでもありませんし、どのスタッフがどういう仕事をして、他の看護師は他の職種とどのようにかかわっているのかなど把握することが先決ですので、リーダー業務の経験の有無や自信の可否に問題ありません。

「みんなで助け合って仕事をしている」という意識を持ってクリニック業務に従事すれば、自ずと他職種の仕事の進行状況が把握しようとはたらきかけられますし、「クリニックのスタッフ全員というチーム」一丸となって従事することができると思います。

ちなみに業務自体もそんなに大変なものはありません。クリニックでは、単発のアルバイト(その日限りのアルバイト)も雇っているところさえあるくらいです。

今まで経験したことない診療科のクリニックに勤めたとしても、看護師3年目の経験年数があれば数回技術や方法を教われば大抵問題なく実践できますので、心配しすぎないで大丈夫ですよ。

3年目の看護師なら大丈夫。人が何と言おうと、自分の決めたことを貫こう

3年目の看護師でクリニックに転職を先輩や上司に相談したら、「言いくるめられてしまった。だけどどこかクリニックの転職を諦めきれない」とお思いの方がいるのではないでしょうか。

なんといっても病院があなたという看護師が必要で求めているからですし、離職率の増大が問題となっている昨今では、退職者を何とか少なくしたいという雇用側の意図もあるのでなかなか背中を押して転職を進めてくれる職場は少ないと思います。

しかし、自分自身と向き合い、ここまで読んでくださって、自分の転職に対する確固たる理由があり、目的、目標がある、金銭面もクリアでき、クリニックという職場自体も自分に向いていると判断できたら、あなたのクリニックの転職は大いに成功すると考えてよいでしょう。

大丈夫です。人が何と言おうと自分がしっかり決めたことが、正しいんです。

クリニックの仕事に慣れたときに、病院時代の同期が自分よりも大きく優っているように見える時が来るかもしれません。

「自分はクリニックで同じような看護業務の繰り返しに何しているんだろう」と考えてしまう時が来るかもしれません。確かにクリニックの業務はあまり複雑なものは求められません。

こんな時こそ、どうしてクリニックに転職しようとしたのかその理由と目的、クリニックに転職して目標とするものはなんだったのか。

人と比べて優っている、劣っていると考えるのではなく、ヒトはヒト、自分が掲げた目標にどのくらい到達できているか、その目標を達成できていたらさらに目標を掲げてステップアップさせる振り返りの機会であることを思い出していただけたらと思います。