「日勤のみ」「日祝日はお休み」「お盆や年末年始は、まとまったお休みもとれる」

これらの理由から、クリニックで働きたいと考えるママナースは多くいらっしゃいます。

しかし、たとえこういった条件を出しているクリニックであっても、そのクリニックがそのまま子育てと両立しやすいクリニックであるとは限らないんです。

今回は、クリニックで働きたい子育て中のママナースへ、求人選びのポイントをご紹介します!

クリニック=ママナースに優しい職場とは限らない

クリニックはカレンダー通りの勤務だから、家庭との両立がしやすい!そう思っているママナースさん、要注意です。

実はクリニックはママナースにとって、優しい職場だとは限らないんです。

では、どういった点が優しくないのでしょうか?

「急な休み」「希望休」がとりにくい

クリニックは、病院などの医療機関とは違い、少ない人数で職場を回しています。

看護師一人あたりにかかる業務量も多くなるため、当日欠勤は基本NGですし、家族の都合による希望休もとりにくいのが現状となっています。

よって勤務日当日に子どもが体調不良となり、保育園や幼稚園、小学校を休むことになってしまっても、当日に休むことが難しいため、子どもの預け先に悩んでしまうことになります。

残業が多く、終業時間を大幅に超えてしまうことも

クリニックでは、受付時間内に来院した患者さんは基本的に全員診察しなくてはいけません。

よって、勤務時間が終了しても患者さんの診察が終わらず、残業となってしまうことも珍しくありません。

子どもを保育園に預けている方や留守番をさせているママナースにとって、残業が多いという点は、デメリットといえるでしょう。

季節によって忙しさが違う

耳鼻科や眼科などは、内科と違い、比較的落ち着いている印象を受けます。

しかしこれらの診療科は、冬の終わりから春にかけては花粉症のシーズンとなり、この期間はとても忙しくなる、ということがあります。

内科では風邪が流行する冬はとても忙しいですし、整形外科では季節の変化によって患者さん数が大きく上下します。

そのため、見学した時はゆったりしていたからという理由で安易に職場を選んでしまうと、季節が変わった途端に大忙しとなり、子育てとの両立が難しくなってしまうというケースもあります。

子育てと両立できるクリニックの求人の見極め方

クリニックが決してママナースにとって優しい職場ではない、ということがお分かりいただけたかと思います。

では、子育てと両立できるクリニックを選ぶためには、どういった点をチェックすればよいのでしょうか?

理解がある「子育てを終えた上司」がいるか

子育て中のママナースが職場において最も頼りになるのが、子育てに対して理解がある「子育てを終えた上司」です。

同僚同士が理解していても、実際に希望を許可してくれる上司でなければ、協力しあうことはできません。

クリニック内の師長や院長が子育てに対して理解がある場合は、希望休や子どもの体調によっての休みなどにも対応してくれますし、何より自分はすでに子育てを終えているため、ママナースの気持ちもよく理解してくれます。

働くにあたっての条件を提示できるか

子育て中のママナースは、職場側が提示した条件に加え、どうしても譲れない条件が出てくることが多くなっています。

「保育園のお迎えがあるので、遅くとも5時半までには職場を出たい」
「〇曜日は習い事の送迎があるため、早引きさせてほしい」

条件の提示に対し、「何を言っているんだ」と突っ返されるようなクリニックは、就職後も子育てに対して理解してくれない職場である可能性が非常に高いですし、受け入れるために努力してくれるクリニックは、就職後も様々な面であなたをサポートしてくれることでしょう。

子どもと同じ学校に通わせているママナースがいるか

ママナースが多く所属しているクリニックでは、突然の休みに対しても比較的「お互い様」という雰囲気があるため、子育てに優しい職場であるといえます。

しかし一方で注意したいのが、「子どもと同じ学校に通わせているママナースがいる場合、学校行事の時に休み希望が重なってしまう」という点です。

クリニックの中には職場を回せなくなってしまう、という点から行事に参加するためのくじ引きが行われる、ということもあります。

子育てとクリニックを両立させるためには、ママナースが多く所属しているクリニックの中でも、「子どもと同じ学校に通わせているママナースがいるか」を、チェックしましょう。

看護師がクリニック勤務で子育てと仕事を両立するために

子育てと仕事を両立するためには、子育てに対して理解がある職場を探すことはもちろんのこと、自分自身でも両立させるための努力が必要となります。

そこで、子育てとクリニック勤務を両立させるためにぜひ心がけたいことを、ご紹介します。

万が一の時、頼れる人or場所を用意しておく

クリニックは、突然の休みに対して対応がしにくい環境であるといえます。

子育てに対して理解があるクリニックであっても、ひと月に何回も当日欠勤となってしまうと、他の職員への負担がさらに増えてしまうため、「お互い様」と言えなくなってしまうこともあります。

そこで、子育てとクリニックでの仕事を両立させるためにも、万が一の時、子どもの付き添いを頼める人、あるいは場所を事前に用意しておくことをお勧めします。

実際に利用することはなかったとしても、事前に用意しておくだけで「いざという時も大丈夫」という安心につながります。

自分がしてもらった分を相手に返す気持ちを持つ

子育てはそれだけでとても大変です。

そのため、どうしても子育てをしていない人に対し、「子育てをしていないんだから、代わりにやってほしい」という気持ちをもってしまいがちです。

しかし、代わりにやってもらうだけやってもらい、自分から何も返せないと、「同じ職員なのに、なんで私だけ代わりにやらなくてはいけないんだ」という不満を持たれやすく、その後の人間関係にも影響を及ぼしかねません。

そのため、自分が子どものために希望休を取った後は、相手の希望休もとれるように協力するといった、「相手に返す気持ちを持つ」ことが、職員の少ないクリニックにおいては特に大切となります。

クリニック毎に特化した資格を取得する

子育て中は、何かと自分の思い通りに仕事ができないことが多い他、どうしてもクリニック側の理解が必要となることも出てきます。

たとえクリニックに対して要望が多かったとしても、「それでもこの人を採用し続けたい」と思ってもらえるような看護師になるために、ぜひおすすめなのが「特化した資格を取得すること」です。

例えば糖尿病を扱う内分泌科のクリニックであれば、糖尿病療養指導士の資格、内科においては呼吸療法認定士の資格を取得することでクリニックにおいてもプラスとなるため、たとえ子育てとの両立のために働く条件があったとしても、長く働き続けることができます。

最後に

クリニックは子育て中のママナースにとって、カレンダー通りの勤務という点で大きなメリットがある一方、仕事を休みにくい、残業が多いというデメリットもあります

就職を検討するにあたっては、メリットとデメリット双方をしっかり比べた上で、今回ご紹介したポイントが抑えられるクリニックを、ぜひ検討してみてくださいね!