■20代女性

一般的な病院と比較すると、男性患者が多いと考えられがちなのが、泌尿器科と呼ばれる病棟です。

現場において、20代から50代と幅広い看護師が務めている現場ですが、主に排泄関係の関係する病気、尿路結石症・感動病といった専門分野を受け持つ病棟です。そして、前立腺関係もこの泌尿器科の専門分野に含まれているため、看護師の割合も男性の比率が高い割合となっています。

特に、通常の病棟と比較すると、急性症状を抱えている患者以外にも、人間の最期の時期に当たるターミナル期緩和治療にも重視する治療を主に受け持つのが、この泌尿器科の役割です。

そのことから、毎日患者の精神面・体力面といった様子の変化に最新の注意を払いつつ、ケアに当たる忙しい病棟でもあるのです。泌尿器科は学びの多い病棟でもあるため、ナースとしてキャリアアップに必要な知識・経験を積むこともできることから、認定看護師を目指して勉強しています。


■20代女性

男性患者が多い泌尿器科ということで、少なからずセクハラ行為があるという事に困っています。ベテランの先輩ナースからフォローを受けながら、勤務にあたっています。

男性患者の心理面として、男性の尊厳でもある男性機能を司る病状に密接した問題であることから、このような行為を行う患者が多い傾向にあるということは聞いています。前立腺がんの摘出手術によって男性器の喪失を経験した患者のケースでは、失った部分によるショックや男性による自尊心を維持しようという気持ちから、セクハラ行為へとつながりました。

行為自体はもちろん嫌ですが、心理面を考えると何とかそれぞれの対処法を考え、セクハラ行為防止の解決策を模索しようとしています。これは泌尿器科の女性ナースに多い悩みですから、やりがいもあります。


■30代女性

毎日排泄関係の病気を中心に扱っていることで、看護業界の転職先としてあまり人気はありません。後輩へその理由を尋ねるとやはり60代以上の男性患者が多いこと、男性器付近のデリケートな病状関係を主に取り扱うことから排泄物に関する抵抗を受けるという話もあります。

一般的には、男性看護師が多い業界というのがこの病棟の常識と考えられる通り、女性では転職が難しいと考えがちな泌尿器科ですが、転職を考える上では緊急性の高い病状を受け持つ病棟ではなく、処置が限られた業界でもあります。

子育てでブランクもあったことで、ちょうど希望する条件と合っている職場を見つけることができました。実際に泌尿器科で募集されていた求人情報について確認していた時には、子育てなどによるブランクがあるナースでも積極的に受け入れるという泌尿器科クリニックがかなり多くあり、活躍できる職場が多いとわかりました。


■40代女性

保育園に通っている子供もいるのですが、時給条件も良くて仕事の拘束時間は比較的少ないため、働きやすい職場です。子育てと仕事を両立させるための条件として、午前中だけという勤務体系で働いています。地元の地域で開業しているクリニックを見ても、午前9時から午後6時までといった時間帯で診療にあたっているクリニックが多くあります。同じ子育て世代のナースからも、ありがたい条件で安心する事が出来るという話を多く聞いています。

特に、家庭を持って子育てに忙しい時期となる30代から40代にとっては、子供の病状に関することで休まなければならない事もあり、周囲からの理解がある職場でなければ安心して私生活と並行した仕事をする事が出来ない状況です。

以前は、一般病棟に勤務していましたが、医療現場で働く上では覚悟しなければならない不規則な勤務体制による生活時間のズレや体力の限界もあり、子育て中に緊急性の高い事態へ対処する事も難しい状況でした。その点を考えると、地元で開業している泌尿器科クリニックに転職出来た事は幸いでした。子育てと両立しながら看護師として働く事が可能な選択肢を得られ、医療スタッフとして充実しています。