時給と月収の相場

看護師免許を取ってすぐの新人看護師は常勤として大きな病院で勤務することがほとんどでしょうが、結婚、出産などで一旦退職するとその後パート看護師として復職する人は多いはずです。看護師の仕事は時間も不規則だし激務なので、家庭や子育てとの両立を考えると常勤よりパートという選択をすることになるのだと思います。

看護師としてバイト・パートで働く場合、1,500円前後(1300円~1800円程度)が時給の相場です。

主婦の多くがスーパーなどでパートとして働くとき、地域差はあるでしょうがだいたい800円~1000円が相場のようなので、「看護師」という国家資格を持っているのですからその時給は当然他の職業よりは高めになります。つまり、看護師の時給は他のパートに比べてだいたい1.5倍ということです。

主婦や母親は家の用事で忙しいので、短い時間でしっかりお金がもらえるのはとてもありがたいです。子供が少し手が離れたら、せっかく取った資格だから短い時間なら働こうという気持ちにもなれます。

しかし、仕事の内容や職場によっても差が生じてきますが、地域による差も大きいのが現状です。

東京都の場合

東京都では、1時間あたり1,500円から2,000円の求人が多くあります。

仕事別では訪問看護が比較的高く、東京都内では3,000円を超えるものも多くあります。また、訪問入浴の仕事も高額の傾向にあり、東京都内では2,500円を超えるものもあります。

現在は看護師の働き場所も病院に限定されず、介護施設や療養施設で働く看護師も多くいます。医療行為もそれほど多くなくのんびり仕事をしたいならそういった施設で働くのもお勧めです。

実際にクリニックで勤務した場合、月収に換算した時にどの程度の給与になるのか具体例をご紹介します。

東京都内にあるクリニックでは、1日8時間、月20日出勤で時給が2,000円となっていて月収は32万円。

その他の地域の場合

東京都以外の地域では、1,200円から1,500円の求人が多く見られます。

大阪府や福岡県では、東京都と同じ訪問看護・訪問入浴の仕事でも1時間あたりの給料は1,500円から1,800円程度にまで下がり、高くても2,000円程度にとどまっています。

月収に換算した場合、上記に東京都の場合を記した一方で、千葉県にある一般病院の外来では、1日8時間、月23日出勤で時給は1,400円となっており、このケースでは月収は約26万円です。

このように同じナースとして働く場合でも、東京都と千葉県のように地域が異なるだけで月々約6万円の差が生じます。

「収入額は気にせず、希望する仕事に就きたい!」というナースの場合は特に問題無いですが、少しでも多く収入を得たいというナースの場合には、職場選びが非常に重要となります。

夜勤専従の場合

ちょっと変わった所では、夜勤専従という働き方もあります。給与は破格で1回20,000~30,000円のところもありますし、時給として数千円の所もあります。

時給が高いところはそれなりに大変な仕事内容になると思いますし、時給の高さにばかり注目しないで良く調べてから仕事を選ぶ方が良いでしょう。

給与・手取り計算の方法

バイト・パートとして働く場合、給与や手取りを計算することができれば、月々どれくらいの額が手元に入ってくるのかを把握することができます。

ここでは具体例を用いて、計算方法を確認していきましょう。

正看護師Dさんの雇用要件

  • 神奈川県にある総合病院でパート勤務
  • 1日8時間、週に4日(1か月に16日)
  • 時給は1,500円
  • 社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)加入
  • 交通費として8,000円が支給

給料

「給料」は、1か月に働いた分(手当て除く)なので、1,500円×8時間×16日の合計、Dさんの給料は19万2千円となります。

給与

「給与」は、給料に諸手当てを加えたもので、給料に交通費を加えて20万円となります。

手取り

給与は総支給額であり、この金額から社会保険料を引くと「手取り」となります。

実際にDさんの給与から引かれる社会保険の内容は、

  1. 健康保険料
  2. 厚生年金保険料
  3. 雇用保険料

保険料を計算する場合、健康保険料と厚生年金保険料については月々の給与額で決められている標準報酬額に保険料率をかけて算出します。

健康保険料の保険料率は、各都道府県で異なるので、実際に計算を行う場合には職場のある都道府県の保険料率を用いる必要があります。

神奈川県の総合病院で働くDさんの健康保険料は、標準報酬額20万円で保険料率は9.98%なので19,960円となります。

厚生年金保険料については、標準報酬額20万円で保険料率は8.56%なので保険料は17,120円。

雇用保険料については、1か月の給与の0.5%で100円となります。

社会保険料の合計は37,180円(健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料)で、Dさんの月々の手取りは16,2820円となります。

このように、保険料率などを用いて細かく計算することも可能ですが、「総支給額から約4万円程度が保険料の相場」と大雑把に把握し、給与から差し引いて手取り金額を計算しているナースも多くいます。

しかし、保険料率は定期的に変動しており、職場が変われば時給や社会保険の内容も変わるので、このような場合にはきちんと計算してみるのも良いでしょう。

どこの職場もまだまだ看護師不足で看護師の募集は常にありますから、家庭の事情に合わせて時給と仕事内容を照らし合わせ、せっかく取った資格を活かせるようたくさんの潜在看護師の方に働いてもらいたいと思います。