救急外来で勤務する看護師の仕事内容

救急患者の対応

夜中に突然具合が悪くなった人、交通事故で運ばれてきた人など、救急外来にやってくる患者さんの症状は様々です。

そこで働く救急外来の看護師は、患者さんの状態を見てすぐに的確に判断し、重症度をはかり、行動します。

緊急時、医師がいない状態の時もあるため、看護師の判断で出来る範囲の救急処置を実施し、医師が必要とする薬剤・物品を予測してあらかじめ準備しておくことも必要です。

それを実施するためには、的確な処置を瞬時に判断できる能力と、判断するための多くの知識が求められます。

治療するに必要な情報を収集する

どのような状況で事故が発生したのか、容態が変化する前はどのような状況だったのか、既往歴はあるのか、その患者を診察・治療する上で必要な情報を家族から聴取します。

突然のことで、動揺している家族から状況を聴取することは大変でもありますが、その必要性を説明し聞き取ることは、治療を進めていく上では大切なことであり、看護師の重要な仕事の1つです。

さらに、気道確保・血管確保、採血、酸素投与など様々な救急処置と並行して、情報収集などは同時進行で進めていかなければなりません。

その情報が、救急処置を行う上で重要な項目であることもあるため、看護師の役割は非常に大きいです。

患者・家族の精神的なサポート

救急外来に来る多くの患者は、不慮の事故であったり突然その状況が発生したりと、とにかく突然です。

そのため、動揺を隠し切れずに気が動転していたり、家族はこの先どうなるのか…という不安を抱えています。

救急の場面は、毎日次々に運ばれ、またはやってくる患者さんの対応に追われ、そこだけに目が行きがちですが、患者さんと同じく不安を抱えている家族に目を向けることも看護師の大事な仕事です。

救急処置をしている現場では、スタッフ全員が忙しそうに動き回り、大きな声をあらげ、ただならぬ雰囲気を醸し出します。

その現場を見ている家族の不安感は計り知れません。現在の状況を説明し、家族に対して目を向けて言葉をかけてあげることで家族も安心します。

豊富な知識で説明

重篤な患者さんも多く、家族に目を向ける余裕が無いことも多いですが、不安に思っている家族にも今後の流れや病状についてきちんと説明し理解してもらうことが看護師の仕事の1つです。

看護師が返答できない内容であれば、医師からの説明を受ける場を設けることも看護師の重要な役目です。それを行うことは、同時に不安の軽減にも繋がります。

患者さんや家族は、医療用語などを聞いてもよく分からないため、説明するときは医療用語はなるべく使わず、わかりやすい言葉で話すことが必要です。

説明するためには多くの知識があって出来ることでもあり、いろいろな分野に対する豊富な知識が看護師には求められます。

また、看護師が焦っている様子を見せては不安感を煽るだけですから、常に落ち着いた態度で接しなければなりません。救急外来の看護師には落ち着きも必要です。

コ・メディカルとの連携

救急外来の看護師は、医師や他の看護師、その他のコ・メディカルと連携を取ることが必要です。

骨折の疑いがあれば、放射線技師にレントゲンを、リハビリが必要になれば理学療法士へと、医療は1人(看護師)ではうまくいきません。医師や看護師たちがチームを組んで救急医療に当たります。

普段から他の医師や看護師たちとチームワークを強めなければなりませんから、コミュニケーション能力は患者さんや家族だけでなく、スタッフ間にも求められます。