家族相談士とは

どんな資格?

1984年設立の日本家族心理学会、1985年設立の日本家族カウンセリング協会が共同して開設した資格制度です。

家族関係の調整、家族の中で発生する葛藤や混乱などの問題について心理的側面から対処し、家族への心理的な支援をすることができる専門家であることを証明する資格のひとつです。

認定先

家族心理学会と日本家族カウンセリング協会が設置している家族心理士・家族相談士資格認定機構が、資格試験の実施とともに資格認定を行っています。

資格保有者数

2013年4月現在で、1,742人の家族相談士資格保有者がいます。

難易度・合格率

合格率は90%以上とされています。資格認定審査を受けるために多くの人が家族相談士養成講座を受講していることもあり、心理カウンセリング系の資格の中ではそれほど難易度が高い試験ではありません。

家族相談士の資格を活かせる職場

活動の場は非常に多く、病院や特別養護老人ホームや養護施設などの福祉施設だけではなく、保育園から大学まで各種教育機関でも高い関心が寄せられている資格です。

講演やセミナー、カウンセリングなどといった仕事があります。そのほかにも家庭裁判所の家裁調停委員、市町村の家族個別相談や電話相談などといったように、地域社会とのかかわりもあります。

家族相談士の将来性

現時点では日本ではあまり広く知られていない資格ですが、産業保健師や産業カウンセラーなどと同様に個人のメンタル、そして家族関係などに適切な助言や指導を行う家族相談士は今後の日本で必要とされ、またその役割も徐々に拡大されていくとして予測されています。

家族相談士のお給料事情

家族相談士の資格を取得したからといって、すぐに給料に反映されるところはほとんどないと言えるかもしれません。勿論、業務に関連する資格の取得に対して資格手当てや資格取得奨励手当てが出るようなところであれば、認定されれば手当てを受けることができる企業もないことはありません。

病院や福祉施設などでは難しいですが、産業保健師や産業看護師、もしくは幼稚園に勤める看護師などであれば、転職などには有利に働くこともあります。

家族相談士になるには《資格取得方法》

受験資格

家族相談士養成講座に登録し、修了認定されるか、家族心理学の領域で研究実績および臨床経験を有していれば、家族相談士の資格試験を受験することができます。

ただし、家族相談士養成講座を受講するためには、臨床心理士や日本カウンセリング学会認定カウンセラー資格など、もしくは医師や看護師、助産師などの資格を有しているか、心理学や関連領域の大学院修士課程在籍者か修了者、大卒者でカウンセリングの基礎課程修了者であること、などといった条件とともに、臨床経験カウンセリングとかかわりのある実践経験として1年が必要です。

また、資格更新をせず資格を失効した場合、失効してから2年以内であれば同様に資格試験を受験することができます。

審査方法・試験内容

審査は書類審査、筆記試験、面接審査の3つから構成されています。

まず書類審査で、筆記試験や面接審査の受験可否が決められます。試験内容は、養成講座で受講した内容がメインであり、筆記試験では主に人間発達研究や夫婦・家族研究、夫婦・家族療法、倫理・法律の分野から出題され、面接審査では主に調査・研究法や臨床実績、スーパーヴィジョンの分野から出題される傾向にあります。

受験日程

申請書類を11月中に請求し、12月上旬までに提出し、書類審査が12月に行われ、受験が認められれば筆記審査を翌年の2月初旬の日曜日に、面接審査が3月初旬の日曜日に行われます。なお、養成講座は5月から11月の土曜または日曜に開催されます。

費用・会場

申請書類請求費として1,000円、資格審査料として20,000円、認定登録料として30,000円必要です。希望者には、公開問題集を500円で送付しています。なお、家族相談士養成講座を受ける場合は受講料として157,500円が必要であり、別途参考資料代も必要です。

資格認定審査会場は東京、大阪、仙台の3会場であり養成講座も同様に東京、大阪、仙台の3会場で開催されます。

・問い合わせ先

問い合わせ先は東京都文京区にある家族心理士・家族相談士資格認定機構事務局で、電話番号は03-3815-2680、FAX番号は03-5840-7013です。なお、事務局は毎週月水木の10時~16時のみ開いており、それ以外はFAXでの問い合わせとなっています。