大学では、職員や学生たちの健康管理を行うために医務室や保健センターなどが設置されているところが多く、そういった場所には看護師が配置されていることが一般的です。
大学の医務室や保健センターなど看護師の需要は大学内にもあり、その看護師の役割は、企業の医務室などに勤務する産業看護師と似通っている部分があります。
病院のような医師の診療の補助や患者さんへの看護ケアが中心の仕事内容とは違い、大学で働く職員や学生たちの健康管理をすることが主な仕事内容です。具体的には、大学内にいる全ての人たちが健康的に過ごすことができるような保健活動を行うほか、体調不良を訴える人の看護や健康診断を実施するために手配することなどが主な役割です。
感染症が流行する際には、予防のための注意喚起を促したり、うがいの励行のためにうがい薬を設置したりと対策を立案・実施し、新入生や卒業生の歓送迎会が行われる時期には学生に対してアルコールに関する指導を行います。また、大学は青春時代を過ごす若者たちが集まる場所のため、進路や就職に悩む学生の相談に応じることも健康管理を行う看護師の大事な仕事とです。
全ての職員や学生一人ひとりと接することは難しいが、積極的に学生とコミュニケーションをとり、学内の掲示板や配布物などを通しても健康管理や指導をすることもあります。
大学保健室で働く看護師に求められる能力
大学の医務室や保健センターでは、看護師が1人しか配置されません。そのため、全てを自分の責任によって行わなければならないということが、病院勤務と異なります。
そういった意味では非常にやりがいのある職場であり、大学の医務室や保健センターで求められる能力としては看護師としての知識や技術のほか、責任感、積極的な行動力、観察力、人の心を動かすことができる豊かな人間性などが挙げられます。
周囲に頼ることのできる人がいない職場環境のため、ある程度看護師としての経験を積んでいることが望ましく、保健活動が仕事内容の多くを占めることになるため、保健師の資格もあると採用面で有利になる場合があります。
身につけておきたい能力
- 基本的なPCスキル
- カウンセリングのスキル
- 英会話力
今の時代はあらゆる情報がコンピュータによって管理されているため、メール操作や簡単な資料作成などといったPCスキルは必須です。医務室や健康センターによっては、大学内にある全てのPCをネットワークで繋ぎ、オンラインで悩み相談や情報提供などをしています。
また、カウンセリングのスキルについては、最近は学生たちの精神的なケアを重視している大学が多くなっているためとても必要となる能力です。親身になって人の話を聞くことができ、進路や就職で悩む学生たちを前向きな気持ちにさせることができるというように、明るくポジティブな人柄が好まれます。
英会話力については、海外からの留学生を受け入れている大学が多く英語でコミュニケーションをとることのできるスキルが求められる場合もあります。必須ではありませんが、留学生たちともコミュニケ―ションをとることができるよう基本的な英会話スキルを身につけておくと役立ちます。
大学の医務室や保健センターで働く看護師求人
それほど頻繁に求人が出されているわけではありませんが、時期によっては多くの大学で募集が出ることもあります。
大学病院が付属しているところでは、大学病院から看護師が派遣されることもあるため希望する場合には大学病院の求人情報もチェックしてみることが大切です。