フットケア指導士とは

どんな資格?

フットケア指導士は、足へのケアを通じて、クライアントが個々に抱える症状などに応じた生活指導を行っていく認定資格です。具体的には、足の清潔を守るためのケアや、靴選びなども行い、巻き爪やむくみをはじめ、糖尿病による壊疽など足に関するさまざまなトラブルの予防をしたり、解消を目指したりします。

近年では、足のトラブルを抱えている人の増加や、糖尿病などの生活習慣病の増加などとともに、医療現場において「足」へのケアの重要性が認識されてきています。

足は全身を支えるという重要な役割を果たすものであり、足が果たす機能に注目することは、全身の病気の予防や治療につながる場合もあります。加えて、フットケア指導士は、時には足へのマッサージを通じて、クライアントのリラックスを図るときもあります。

今後医療現場においては、益々個別、多様化すると考えられるクライアントのニーズに応える必要性も高まってくるでしょう。これらのことからも医療従事者においては、注目すべき資格のひとつということができるのではないでしょうか。

認定先

一般社団法人日本フットケア学会が認定します。

資格保有者数

2013年3月に行われた認定試験が第5回目となりますが、1回目から5回目の認定試験合格者数合計は、365名となっています。試験回を重ねるごとに、受験者数、合格者数ともに増えてきています。

難易度・合格率

合格率については、概ね50%から60%前半で推移していますが、2013年3月に行われた第5回目の認定試験においては、75.3%と例年に比べて高い数字となりました。

フットケア指導士の資格を活かせる職場

足のトラブルを解消、治療する現場である皮膚科、内科、形成外科、血管外科などが活躍の場としてあげられます。糖尿病患者の治療を行う透析室なども資格を活かすことのできる場といえるでしょう。

また、足にトラブルを抱えている人だけでなく、一般の人や、高齢者に対する足のトラブル予防などもあり、広く医療現場、介護現場でも資格を活かすことができます。

フットケア指導士の将来性

糖尿病を患っている人や、高齢者の増加などからも、今後、医療現場や介護現場などにおいて、フットケアの重要性は益々高まっていくものと考えられます。

また、多様化する患者の症状やニーズに対応する必要性や、医療の質向上のためなどから、こうした現場においてフットケアを取り入れていく動きは広がっていくでしょう。

これらのことからも、フットケアに対する専門知識の取得を認定する同資格に対する注目は、今後高まり、需要も増えてくるのではないでしょうか。

フットケア指導士のお給料事情

資格習得者が活躍している皮膚科、内科、形成外科などの診療科を備えた総合病院ですと、常勤正看護師における月収の相場は300,000円前後となっています。

透析室の勤務では、日勤のみの勤務が可能な施設もありますが、月収相場では、前述の金額より40,000円から60,000円ほど低くなる場合が多くなります。

近年では、リハビリテーション科など幅広い診療科を備え、チーム医療を実施している施設なども出てきています。こうした新しい型の施設や、規模の大きな病院ほど、給与は高くなる傾向にあるようです。これらの施設での平均年収は初任給で4,200,000円ぐらいとなっています。

フットケア指導士になるには《資格取得方法》

受験資格

医師、看護師、准看護師、理学療法士、臨床検査技師、臨床工学技士、介護福祉士、義肢装具士、薬剤師、作業療法士といった医療や福祉分野におけるいずれかの国家資格を持ち(准看護師については都道府県知事が認める資格)、これらの資格取得後3年以上の実務経験が必要です。

かつ、日本フットケア学会の学会員であること、フットケアの実務経験、日本フットケア学会が認定するフットケア指導士認定セミナー(年1回6月ごろ開催)の受講が必要となります。認定セミナーの有効期限は2年間となります。

なお、資格は5年ごとの更新となっており、更新には学会セミナーへの参加などによる70単位の履修が必要となっています。

審査方法・試験内容

最低合格水準につては、日本フットケア学会学術委員会により決定され、学術委員によって合否が判定されます。試験時間は90分、試験問題については、マークシート式の4肢択一問題50題が出題されます。

試験内容については、2冊の認定セミナー指定テキストに準拠したものとなります。フットケアの基礎知識や、下肢に関連する検査、ケアなどといった関連項目についてとなります。

受験日程

年1回、例年2月から3月ごろとなります。受験申請の締め切りは受験年前年の10月末日となっています。

費用・会場

受験料は10,000円です。受験会場は、東京都内となります。

問い合わせ先

一般社団法人日本フットケア学会・事務局