イベント会場でのイベントナースの様子

急病人の応急処置

イベントナースは、ライブや大規模フェス、スポーツ大会などのイベント会場に設置されている医務室や救護室で働く看護師のことを言います。主な役割は、イベント会場に来ている人が体調不良を訴えたり怪我をしたりした際に手当てをすることで、特に急病人や怪我人がいない場合には、医務室や救護室で待機します。

イベントの内容によって仕事内容に多少の違いがあり、室内で行われるライブイベントなどでは怪我で運ばれてくる人が少ない一方で、過呼吸や人が多く息苦しいといった体調不良で医務室や救護室に運ばれてくる人が多い傾向にあります。

反対に野外で行われる音楽フェスやライブなどでは、夏場に開催されるものが多いため会場の熱気で体調不良を起こしたり熱中症や脱水症状で倒れたりする人が多く、天候不良で大雨が降った場合には低体温症で運ばれてくる人が多くなることもあります。

更に、観客や参加者のみではなく、試合に出場する選手や会場スタッフなどが怪我をした際の手当てを行う役割を担うケースもあり、仕事やイベントによって医務室や救護室で働く看護師の請け負う仕事内容に幅があるのが特徴です。

臨機応変に対応

イベントの開催される時期や内容によって医務室や救護室に運ばれてくる方の症状が異なるだけでなく、年齢や症状の度合いも様々であるため臨機応変に対応できる柔軟さが求められます。

また、医療機関などで働く場合に比べると基礎的な看護スキルがあれば問題無くこなせるような内容ですが、マニュアルはなく全て予測不能な出来事であり、それに対応できる経験や、少ない設備の中で処置をするスキルが必要になります。

そのため医務室や救護室を利用する人の状態を把握し、適切な看護を行うことも重要な役割の1つです。

イベントナースで働く人はママさんナース?!

イベントナースは医療機関などで勤務する場合と違って、イベント期間中のみ、指定された日時のみといったように単発で勤務するケースがほとんどです。そのため、アルバイトとして看護師を募集するケースが多く、空いた時間を有効活用して働きたいWワーク看護師やもっと稼ぎたいというナースからは特に人気があります。

また、仕事内容も比較的単純で、特に大きな事故などが無ければ慌ただしくなることも少ない仕事であるため、お小遣い稼ぎで働くママさん看護師なども多く見られます。

医務室や救護室で待機しているナースは少人数であるため、1人で対応出来るだけの看護経験があったり外来での勤務経験があったりとするナースが採用面で優遇されることも多くあります。病院や診療所などとは違って、医療関係者が少なく様々な分野の人と連携して仕事をすることができる特殊な環境ということもあり、新鮮な気持ちで仕事に臨むことができると人気があります。

■イベントナースの求人は夏場に集中

イベントナースの仕事は1年を通して豊富にあるというわけではなく、求人の出される時期に差があります。野外フェスやスポーツ関連イベントは夏場に集中しているため夏場に多く、屋内ライブであれば1年を通して全国各地で行われているので比較的求人を見つけやすい傾向にあります。

ですが、平日よりも週末にイベントが開催されることが多く、春休みや夏休み、年末年始といった長期休暇の時期にもイベントが増えるため、イベントナースの需要もこの時期に増えます。