透析療法指導看護師とは

どんな資格?

人工透析や血液透析などの透析療法について深い知識と高い技術力を持ち、透析治療だけでなく透析患者やその家族に対して説明や指導など、総合的なケアを行うことができる看護師であることを証明する資格です。

認定先

平成25年度より、日本腎不全看護学会、日本透析医学会、日本腎臓学会、日本移植学会、日本泌尿器科学会、日本腹膜透析医学会の6学会合同による認定委員会が審査し、認定・受験・更新受付事務局が認定先となっています。

資格保有者数

2004年から認定試験が始まっており、全10回の試験において合格者の延べ総数は1,270名であり、5年ごとに認定資格の更新が必要なことから、その実数は1,200名前後と考えられます。

難易度・合格率

合格率は実施年度にもより差が大きく、80%から100%の間で推移しています。そのため、看護師の認定資格の中では、難易度はそれほど難しいものではないとされています。

透析療法指導看護師の資格を活かせる職場

高齢社会である日本においては、どの地域にも生活習慣病や腎不全などにより透析治療が必要な人が増えているため、透析療法を行っている病院や透析クリニックなどではその知識や技術を十分に活かして働くことができます。

また、透析に関する治験(臨床試験)を行っている研究機関などでも力を発揮できるでしょう。

透析療法指導看護師の将来性

現在の日本では30万人以上の透析患者がいるとされており、生活習慣の変化や高齢化の傾向にあることから、ますます透析療法が必要とされることは間違いありません。看護師そのものの数も全国的に不足していることから、日本全国どこでも働くことは可能といえます。

資格取得者のお給料事情

透析療法に携わる看護師の給料は、専門に行う看護師であれば一般病棟勤務の看護師よりも全国的に給料が高いとされており、月25〜30万程度とされています。

また、病院によっては透析手当てや資格手当てなどがつく病院もあり、資格を取得することでより高い給料を得ている看護師もいます。

ボーナスなどにおいても多い場合は4ヶ月分出る病院もあり、一般看護師に比べると高給取りとされます。しかし一方で、日勤であることがほとんどのため夜勤などで稼ぐことができない傾向にあります。

透析療法指導看護師になるには《資格取得方法》

受験資格

受験するための資格としてはまず準看護師免許ではなく看護師免許を有していること、日本腎不全看護学会正会員歴が継続して3年以上であること、腎不全看護領域実務経験が通算3年以上であること、看護実務経験が通算5年以上あることが求められる基本条件です。

その上で、腎不全看護領域実践報告を3例提出することと、受験資格ポイントを30ポイント以上取得していることが必要です。ポイントは、ポイント取得対象の学術集会やセミナーなどに参加し、参加証や領収書などを証拠種類として受験申請時に添付することが必要です。

中には、参加が必須の学術集会やセミナーがあるため注意が必要です。以上の6点を満たすことで受験資格が得られます。

審査方法・試験内容

第11回透析療法指導看護師認定試験は、平成24年7月に発行された、日本腎不全看護学会編集・医学書院出版の、テキスト第4版『腎不全看護』を基にして試験内容が作成されます。前述の受験資格を審査した上で、試験で一定点数を獲得すれば合格できるようです。

受験日程

受験申請書類の提出期間が毎年11月いっぱいであり、その間に簡易書留で認定試験事務局に送ることが必要です。その上で受験資格審査を合格すれば、受験票と会場案内が送付され、翌年の1月第3日曜もしくは第4日曜に試験が実施されます。

費用・会場

試験会場は東京・大阪・福岡の3会場ですが、受験場所を選択することはできず、詳細は受験者に直接通知されます。受験料は30,000円で、受験申請書類提出時に振り込み控えが必要です。合格すれば、登録料10,000円が追加で必要です。

問い合わせ先

東京都千代田区にある運営事務局で、株式会社ピーシーオーワークス内の認定・受験・更新受付事務局です。電話番号は03-3291-3634、FAX番号は03-3291-3635です。
メールによる問い合わせも受け付けており、メールアドレスはdln_info@pcoworks.jpです。