認定行動療法士とは

どんな資格?

認定行動療法士とは、精神医学の行動療法のひとつ、認知行動療法のスペシャリストとして認められる資格のことです。

行動療法というものは、患者さんについて現在の行動に着目することであり、患者さんの考え方の癖などといったゆがみを修正しようという治療法です。あらたな経験を繰り返し身につけさせることによって、行動を変えさせることが目的です。精神的なストレスの背景にある行動や思考を科学的に分析して行動・思考パターンを修正し、上書きしていきます。

認定先

認定先は日本行動療法学会であり、日本行動療法学会からは認定行動療法士、専門行動療法士というふたつの資格が認定されています。

日本行動療法学会は行動療法の研究促進と普及を目的にしている学会です。資格取得の前提として日本行動療法学会に入会する必要がありますから、まず入会申請を行いましょう。

資格保有者数

資格保有者数はまだ少なく、ほかの心理系資格と同時に取得していく傾向にあります。急激な増加ではなく、少しずつ資格保有者数が増えているため、受け入れ体制が整いつつあります。

難易度・合格率

認定行動療法士の難易度自体はそれほど高くなく、合格率は高くなっています。正確には受験する人が少ないため、正確な難易度と合格率が出にくく、わかっているだけで合格している人が多いというだけのことです。

認定行動療法士の資格を活かせる職場

認定行動療法士の資格が活かせる職場としては精神科のある病院や精神科専門病院・クリニック、福祉施設、教育機関などが挙げられます。

これらの職場においてカウンセリングを行い、クライアントの思考や思い込みの方向を変えることが仕事です。通常のカウンセリングと違い、カウンセラー(認定行動療法士)が指導していくタイプのカウンセリングとなります。

認定行動療法士の将来性

認定行動療法士の将来性については、まだ新しい資格であるため未知の部分もあるものの、比較的明るい見通しが立っています。

理由として、抑うつ症状の改善から不登校、自閉症、アルコール依存症などといったように応用の幅が広く、これから先に需要が高まる可能性も高いからです。また、短期間で効果をあげることも可能であるため、とりあえずカウンセリングを受けてみたいという患者さんからの需要が高いことも理由となっています。

認定行動療法士のお給料事情

認定行動療法士の給料は、あまり良くありません。認定行動療法士としての資格だけで十分な収入を得ることは難しく、精神科や福祉施設に勤める看護師や医師がスキルアップのために取得するというケースが多いからです。そのため、正確な給料の相場や平均は不明です。

ほかの心理カウンセラーと違って短期間での治療が可能であるため、治療代については低額になっています。給料は低めに抑えられていて、認定行動療法士としてだけの仕事では生計を立てにくいという状況です。

認定行動療法士になるには《資格取得方法》

受験資格

認定行動療法士の受験資格については日本行動療法学会の会員として1年以上の会員歴があること、日本行動療法学会の研修を6時間以上受講していることが前提です。その上で、学会において1回以上の研究発表を行うか、研究論文を行うことで受験資格を得られます。

入会には会員2名からの推薦が必要とされていて、入会後に認定行動療法士と専門行動療法士のどちらかを選ぶことができます。

審査方法・試験内容

審査方法・試験内容は書類審査、レポート審査、面接試験という3つの段階で構成されています。まず、資格認定の申請には申請書、各証明書とケースレポート、審査料が必要です。このときに用いるレポートは、研究業績のものと重複しないように注意しなければなりません。

受験日程

受験日程は特に定められていませんが、基本的に審査のチャンスが与えられるタイミングは年に1度と定められています。会員が資格認定の申請を行うたびに、随時実施されるものです。

申請は毎年10月に受け付けられていて、事実上10月が試験期間であると考えて良いでしょう。

費用・会場

費用は資格審査料が10,000円となっていて、申請書を提出する際に添えて出すか、口座に振り込むかになります。審査に通り、晴れて資格が認定されたときには3年間有効となる認定証が発行されます。

有効期限が切れるまでに、更新手続きを行う必要があります。会場は、各個人宅です。

問い合わせ先

問い合わせ先は、日本行動療法学会資格認定委員会事務局となっています。