福祉住環境コーディネーターとは

どんな資格?

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障がいのある人が、できるだけ自立して生活ができるような「使用しやすく住みやすい」住環境作りを提案、整備していく役割を果たします。

高齢者や障がい者が生活していく上で関わる各方面の専門家と連携を取ったり、現存する住環境資源を活かしたりしながら、個人にとって最適と考えられる住環境プランの提示や関連する施策の情報提供などを行います。

福祉住環境コーディネーターが持つ建築、医療、福祉といった広い分野にまたがる知識と、コーディネーターとしての役割は、急速なスピードで高齢化が進む我が国において、今後益々必要性や重要性が高まっていくでしょう。近年注目されている資格のひとつであり、介護などの福祉分野をはじめ、医療関係者の受験も増えてきています。

認定先

東京商工会議所が認定します。

資格保有者数

1999年より、資格認定制度が始まり、3級、2級においては、現在までそれぞれの級において200,000人以上の合格者を輩出しています。

近年では、2級の受験者、合格者が、ともに増加傾向にあります。最近のデータでは、2012年度の3級合格者数が6,765人、2級合格者が16,024人、1級合格者が33人、2013年度は、3級合格者数が8,725人、2級合格者が21,272人となっています。

難易度・合格率

合格率については、受験する級によって異なります。3級については、40%から60%台の合格率で、平均すると50%前後となります。

2級については、合格率にばらつきがありましたが、近年では、3級の合格率に近い数字となっており、3級よりも合格率が高くなっている試験回もあります。

記述式、マークシート式の両方の試験が課される1級の合格率については、4%から6%で推移しており、かなりの難関となっています。

福祉住環境コーディネーターの資格を活かせる職場

障がい者施設、介護施設をはじめとする福祉関連施設が代表的なものとなっていますが、近年においては、医療の現場においても、療養型病棟をはじめ、高齢化の問題は避けて通ることのできないものとなっています。

そのほかにも、リフォームをはじめとする住宅関連などの建築分野において、コーディネーターとしての役割も期待されています。

福祉住環境コーディネーターの将来性

超高齢化社会の到来により、障がいがあったり介護が必要であったりしても、快適に過ごすことができる住環境の提供というものは、今後益々必要性が高まってくるものと考えられます。

一方、医療分野においても、高齢化への対応は、今後必要不可欠の取り組まなければならない問題となっています。加えて、障がいのある人や高齢者が自立して生活できるような住環境の提案には、建築だけでなく、医療や福祉の知識も欠かすことはできません。

これらのことからも、医療従事者にとっても、今後注目しておくべき資格のひとつといってよいでしょう。

資格取得者のお給料事情

高齢者、介護に直結する職場として、有料老人ホームとはじめとする介護施設を挙げることができます。こうした施設では、利用者の潜在的なニーズをくみ取るためにも、医療、福祉からの観点も含めた住環境に対する知識を活かして介護にあたることは、大切なこととなってきています。

施設によっては、福祉住環境コーディネーターの資格取得を職員に奨励しているところもあります。こうした施設での月収相場は、常勤の正看護師ですと、250,000円以上、平均年収は初任給でも4,000,000円以上となっています。

福祉住環境コーディネーターになるには《資格取得方法》

受験資格

受験資格については、特にありません。3級、2級を同時に受験することも可能ですし、3級を受験せずに、いきなり2級を受験することも可能です。ただし、1級の受験については、受験申請時において、2級に合格していることが必要となります。

審査方法・試験内容

東京商工会議所より、級ごとに公式テキストが出版されており、その内容に準拠した形で出題されます。障がい者や高齢者への自立支援方法や住環境についての知識などです。

いずれの級も100点満点中、70点以上で合格となります。試験については、3、2級はマークシート式、1級はマークシート式、記述式の両方となり、難易度も上がります。東京商工会議所では、検定のために、各地で対策セミナーの開催や、通信講座(有料)も行っています。

受験日程

例年7月と11月の年2回となります。ただし1級においては、11月のみの1回となります。試験について、3級は午前、2級は午後から行われ、1級は、午前がマークシート式、午後が記述式の全日となります。

費用・会場

会場は、主催者が区分する受験エリア内において、受験時に指定されます。受験エリアについては、概ね各都道府県の主要都市ごとと考えればよいでしょう。受験費用については、3級4,200円、2級6,300円、1級10,500円となっています。

問い合わせ先

東京商工会議所・検定センター