血管診療技師とは

どんな資格?

血管が硬化してつまってしまうなどの血管疾患に対応するための、専門資格となります。

生活習慣病などが原因(主にコレステロールなどの脂質が血管内に溜まることによって)となって血流が悪くなると、血管に動脈硬化をもたらしてしまうということがあります。そのまま放置しておくと、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしてしまうことがあり、最悪の場合は突然死に至ることもあります。

動脈硬化性の疾患は、予防と早期発見がもっとも重要となります。血管診療技師(CVT)は、そういった血管疾患に専門的に対応することができる、認定資格となっています。

認定先

血管診療技師(CVT)認定機構。日本血管外科学会、日本脈管学会、日本静脈学会の3学会によって、構成されています。2006年に発足し、年に1回5〜6月頃に、認定試験が実施されています。

資格保有者数

2013年現在、全国で761名となっています。

難易度・合格率

合格者の受験番号は、ホームページにて提示されることとなります。その後合格者が登録手続きを行うことによって、認定機構から認定証が発行されることとなります。

難易度は決して低くはありませんが、多くの看護師が働きながら勉強に取り組み、そして資格取得を達成しています。

血管診療技師資格の資格を活かせる職場

血管疾患の治療を専門とする病院やクリニックであれば、即戦力として働くことができるでしょう。他にも生活習慣病や高齢者の患者を多く抱える病院など、幅広い場所でニーズがあります。

血管診療技師の将来性

日本は糖尿病患者が世界的に見ても多い傾向があり、今後も高齢者の増加に伴って、患者は増えるということが予想されています。そのため血管診療技師(CVT)の需要も、ますます高くなって行くこととなるでしょう。

血管診療技師のお給料事情

血管診療技師(CVT)は、看護師のスキルアップのための資格として注目されている通り、お給料は一般の看護師よりも高くなることを期待することができるでしょう。ただし、夜勤勤務がほとんどないことで夜勤手当は望めません。その分、規則正しい生活で働くことが可能になります。

血管診療技師になるには《資格取得方法》

受験資格

日本国における臨床検査技師・看護師・臨床工学技士・診療放射線技師・准看護師のいずれかの資格を有しており、かつ臨床検査技師・看護師・臨床工学技士・診療放射線技師は3年以上、准看護師は5年以上の、実務経験を有しているということが求められます。

また、血管疾患診療の経験があることや、5月頃・7月頃・10月頃の年3回実施されている、認定講習会を受講済みということも必須となります。

資格は、5年ごとの更新が必要となっており、更新までには、構成3学会への参加や発表、雑誌への論文掲載、日本血管外科学会地方会やCVT認定講習会への参加などによってよって得られる単位を、50単位以上を取得しておくということが求められます。

審査方法・試験内容

試験内容は多肢選択で、血管疾患(リンパ管を含む)の病態全般に関する基礎知識、および血管疾患診療に関する専門知識が計50題、そして血管疾患検査に関する実技技術の審査が行われます。

受験日程

毎年構成3学会の総会開催時期に応じて、5〜6月頃に開催されています。

受検の申し込みは、ホームページから行うことができます。申し込みを行ってから受験料を振り込み、申請書類を作成して事務局まで送付するようにします。申し込みが完了すると、受験票が郵送されてくることとなります。

費用・会場

認定資格取得にかかる費用は、講習会受講料10,000円、資格試験受験料10,000円、所見用紙コピー確認後返却用切手580円(もしくは重さに応じた金額)、資格認定料10,000円、更新審査手数料5,000円となっています。

試験会場は事前に、ホームページで知らされることとなります。

問い合わせ先

血管診療技師認定機構 事務局
〒113-8519
東京都文京区湯島1-5-45
東京医科歯科大学 医学部 血管外科
なお、電話による問い合わせは受け付けられていません。血管診療技師認定機構のホームページからも、問い合わせをすることが可能となっています。