衛生管理者とは

衛生管理者とは、労働安全衛生法によって定められた国家資格で、一定規模以上の職場では選任が義務付けられている重要な資格です。平たく言うと、どんな企業にも最低1名は衛生管理者がいます。

具体的には職場環境、安全環境、従業員の健康保全に勤める、職場における守護者のような役割を持ちます。

健康的で安全な職場づくりを率先して行う指導者としての役割を持ち、従業員の不満を汲み取って職場の環境を改善するのが衛生管理者です。

衛生管理者の資格を活かせる職場

ほぼ全ての業種で活かすことができますが、大まかに有害業務を取り扱わない非工業的職種と取り扱う工業的職種の2つで活用できます。

一般企業、サービス業が前者、農林水産業、建設業、製造業、水道業、運送業、電気・ガス・水道業、鉱業、機械修理業、自動車整備業、医療業、清掃業が後者です。

衛生管理者の将来性

ほぼ全ての職場で業種を問わずに必要とされている資格です。社会的な評価、安定した収入、時代を問わない需要の高さと将来性はかなり高いものです。

衛生管理者の資格を取得することで、資格手当がつけられるというメリットもあります。

衛生管理者の資格取得者のお給料事情

資格取得者があらゆる業種にいるため、はっきりした平均給料は分かりません。

資格手当は3,000円程度ですが、具体例を挙げると建設業界など有害業務のある業種では平均年収は500万円から700万円と高めに設定されています。これに勤続年数や企業の規模が加わります。

衛生管理者の資格取得方法

認定先 受験資格を得る方法は12通りあり、その中でも代表的な方法は3つあります。

1つは大学、もしくは高等専門学校を卒業しその後、労働衛生の実務を1年以上積んでいること、もう1つは高等学校もしくは中等教育学校を卒業し、その後労働衛生の実務を3年以上積んでいることです。3つめ、学歴に関係なく労働衛生の実務を10年以上積んでいても受験資格を得られます。

その他、学校の種類によって違いはあるものの、労働衛生の実務を積んでいることは必須条件になります。管理職の資格という条件があるため、若年者が受験できない仕組みになっています。

保健師、薬剤師など衛生管理関係の資格を有している場合、無試験で免許を受けられます。

審査方法・試験内容 試験科目は労働衛生、労働整理、関係法令、試験時間は3時間。
受験日程 試験は全国7地区で年に160回、都道府県単位の出張試験で40回から50回、以下が最新の受験日程です。
費用・会場 会場は北海道が北海道安全衛生技術センター、東北地方は東北安全衛生技術センター、関東地方は関東安全衛生技術センター、中部地方は中部安全衛生技術センター、近畿地方は近畿安全衛生技術センター、中国・四国地方は中国四国安全衛生技術センター、九州地方は九州安全衛生技術センターです。

試験会場からも遠い場合は、都道府県単位での出張試験を利用可能です。

問い合わせ先 公益財団法人.安全衛生技術試験協会
所在地:東京都千代田区西神田3丁目8番1号.千代田ファーストビル東館9階
電話番号:03-5275-1088
詳細な情報がわかるURL 公益財団法人.安全衛生技術試験協会
http://www.exam.or.jp/

衛生管理者の試験合格率

衛生管理者の合格率は、第一種が50%、第二種が60%~70%。これは初回受験者と複数回の受験者の合計で、初回受験者の合格率は更に低く、第一種で30%、第二種で50%と予想されています。

国家資格の合格率が低いのは事実ですが、国家資格の試験の中では中の上と言ったところでしょう。業界で学んできた人がきちんと勉強すれば合格できるレベルです。

実は衛生管理者を専門に養成する学校はなく、受験者は基本独学しかありません。そのあたりが影響して難易度が少々高くなっており、専門の学校さえあれば難易度はもう少し下がります。合格ラインは一種だと6割、個別科目で4割取ることです。