肺炎とは

肺の炎症疾患の総称で、多くの場合、発熱、咳、粘稠痰などを伴いますが、高齢者など体力のない患者さんの場合、不顕性肺炎といって熱も出ず無症状に経過することもあります。

とても幅広いものですが、今回は病院内でよくある肺炎をご紹介します。

細菌性肺炎

風邪をこじらせて…といった、一般的な肺炎がこの細菌性肺炎です。

喀痰検査で菌の同定を行った後、それにあった抗生剤を投与するのが理想ですが、結果が出るまで時間がかかることなどから検体提出後すぐに広範囲をカバーできる抗生剤の投与を開始することがほとんどです。

看護師は、呼吸器症状の観察、喀痰の援助(吸引や健常な方なら飲水を勧めるなど)などで関わります。

誤嚥性肺炎

高齢者など嚥下機能が衰えた患者さんが高い頻度で罹患するのが、この肺炎です。

食事中の誤嚥もあれば、自らの唾液を知らずに、または噎せながらも誤嚥することで起こります。寝たきりの患者さんの場合、これを防ぐために体位交換後の首の角度に注意する必要があります。顎を少し引き気味にすると嚥下反射が促され、誤嚥の予防を助けることができます。

間質性肺炎

通常の肺炎が肺胞内の炎症なのに対し、間質性肺炎は肺胞周辺の組織の炎症です。

周辺組織の炎症なので咳は出ますが、痰はあまり出ません。肺全体の柔軟性がなくなり換気機能がとても悪くなるのが特徴で、重症の場合は人工呼吸器が必要になります。

吸引には愛を込めて!

肺炎の患者さんで自力での喀痰が出来ない場合、看護サイドでの吸引がとても大切です。そこで忘れてはならないのが、この処置がいかに苦しいか!ということです。

痰が多量で粘稠の場合、意識のある患者さんでもどうしても鼻から引きたくなりますね。本当は、できる限り避けましょう。

仕方なく鼻から吸引する際も、チューブの太さの工夫や、慎重なチューブの挿入の仕方、吸引時間には十分留意しましょう。

SpO2の観察はもちろんですが、SpO2が低下した時点で患者さんは限界まで苦しくなっています。できるだけ数値を落とすことなく、少しずつ引いてください。