消化器科は、食道から肛門までに渡る消化器系の臓器や、消化管における疾患を扱う診療科です。具体的には胃や小腸・大腸、すい臓、肝臓、胆のうなどにおける、疾患の治療が行われています。

こういった部位は手術療法や保存的療法といった治療が行われることが多く、看護師にはさまざまな治療法に対処することができる幅広い知識や看護技術が求められることとなります。

また、消化器科は最新の医療機器や治療法などが絶えず導入される分野でもあるため、看護師にも日々学習する姿勢が求められます。そのため消化器科は、おもにキャリアアップを目指す看護師が希望することが多い診療科です。

消化器科看護師へ転職をするメリット

看護師としての専門性を身につけることができる

消化器科を経験すると、他のどの診療科でも概ね通用するとも言われています。消化器科における看護師の役割は、外来の場合では、患者に対する問診や医師の指示に従っての検査や必要な処置を施すことです。また、X線検査や内視鏡検査、CT、MRIなどの検査補助や服薬等に関する説明を患者に行います。

病棟の場合では、入院患者の看護や検査補助、術前・術後ケア、経過観察などが主な仕事です。消化器科はがん患者を多く扱うことが多い診療科となるため、がん患者やその家族に対する精神的ケアなども求められることになります。

最新の医療や看護技術が求められる

消化器科では、医療技術の進歩に合わせて看護師にも最新の医療ケアや看護技術が求められることとなるため、定期的に研修や講習会などが開催されています。そのため、最新医療や看護に触れる機会が多いというのも消化器科に転職するメリットだと言えます。

診療科の中でも多忙で神経を使う科となりますが、向上心の高い人にとってはそういったこともやりがいと感じることができると思います。

給与の面に関しても、消化器科は高い専門性が必要とされる特殊な科であることから、他と比べて給料が高く設定されている傾向があります。そのため、スキルアップと収入アップの両方を目指したい人にとっては転職のメリットが高いと言えるでしょう。

消化器科看護師へ転職をするデメリット

急変が起きやすく多忙

消化器科の看護師へ転職するデメリットとしては、患者の急変が起きやすいために多忙であることや、精神的な負担が大きいということなどがあげられます。消化器科ではがん患者が多く入院しているため手術も頻繁に行われ、術前にはさまざまな検査があり、患者を検査室へ連れて行くといった業務も多くなります。

そして、術後は患者の容体が急変しやすいため細心の注意を払って観察することが求まられます。他の患者の看護もしながらの観察となるため、看護師にはテキパキと無駄のない行動が求められ、ナースコールも多くフットワークの軽さが必要だと言えるでしょう。

精神的なダメージを受けやすい

消化器科では、末期がん患者など治療の甲斐なくして亡くなるという患者が多くいます。これまで献身的に看護して来た患者が他界する場面に遭遇するというのは、誰でも辛いものです。精神的なショックも受けることでしょう。

しかし、他の患者の看護をおろそかにしないためにも看護師には気持ちをすぐに切り替えることができる、強い精神力が求められることとなります。

デリケートな問題に対する抵抗感

消化器科でも肛門に関わる疾患の治療は行われていて、とくに痔ろうなどデリケートな部位を扱うため女性看護師には弱冠抵抗があるということもあります。看護師としてそんなことを考える人は少ないとは思いますが、少ながらず嫌がる人もいるのです。