児童福祉士とは

どんな資格?

児童相談所員のことを児童福祉士と呼んでおり、児童福祉法において定められている任用資格です。児童福祉士になるための認定試験はありません。必要な条件を満たし、地方公務員試験に合格し、児童相談所に配属されることで児童福祉士となることができます。

児童相談所で保護者などから子どもの福祉に関する相談を受け、必要な指導・アドバイスを行い、状況によって児童を一時保護したり、児童福祉施設等に入所させる、里親を探すということもあります。直接児童と関わりを持つというより、子どもが最適な環境で生活できるように子どもの保護者などに対しサポートを行います。

認定先 児童福祉士は地方公務員となるため、認定先は各都道府県です。児童相談所は都道府県と政令都市に設置が義務付けられており、全国に約200か所あります。
資格保有者数 平成25年4月1日現在で、2,771人の児童福祉士がいます。
難易度・合格率 福祉系大学等ルート、短期養成施設ルート、一般養成施設ルートの合格率は平均24.3%となり、難易度は高めです。

児童福祉士の資格を活かせる職場

児童相談所に配属されることで、児童福祉士と名乗れるようになります。任用資格要件を満たしており、地方公務員試験に合格し採用されても、児童相談所に配属にならない限り児童福祉士にはなれません。

児童福祉士の将来性

児童相談所での相談件数は年々増加傾向にあり、心身に障害がある方、家庭環境が複雑化したことで起こる家庭不和、非行、母子家庭の増加、不況で養育が困難、両親が病気など、子どもを取り巻く環境には様々な問題があります。このような状況の中で児童虐待の相談件数が多くなっているのが現状です。

また、少子化が進行し、児童数は減少していますが、一人ひとりの子供にお金や手間を掛けられることで様々な児童問題やトラブルが増加しています。児童福祉士を増員し、対応策を立てる自治体も増えていますので現在は任用資格としてしか認められていない児童福祉士ですが、需要は今後益々高くなっていくと思われます。

看護師が児童福祉士になった場合、様々な視点から相談・アドバイスをすることができるでしょう。また、虐待等が疑われた時、子どものけがやアザなどから子どもの状態を確認し、適切な処置、判断を行うことができるでしょう。

児童福祉士の資格取得者のお給料事情

地方公務員となるので給与面では安定しています。自治体によって異なりますが、東京都の場合で一般行政職の月給が平均47万円、賞与は4.4ヵ月分支給されるので、平均年収は約770万円です。退職金も支給されますので、安定した高収入の職業と言えます。

児童福祉士の資格取得のポイント

受験資格 児童福祉士になるための試験はありません。指定されている児童福祉士養成学校を卒業しているか、厚生労働大臣が指定している講習会を修了していると、まずは任用される資格要件を満たします。また、医師や精神保健福祉士、社会福祉士の資格を持っていれば児童福祉士になることができます。

更に、大学で心理学や教育学、社会学に相当する課程を修了してから指定の施設で1年の実務経験を積んでいる場合も要件として挙げられます。そして、保健師や助産師、看護師、保育士、教員のほか指定科目の3科目以上を学んで大学卒業に至り、社会福祉主事として児童福祉の仕事に2年以上かかわった人もまた、任用資格要件に該当します。

審査方法・試験内容 任用資格要件を満たしている者が、各都道府県市町村で行われる地方公務員試験に合格することが必須です。
受験日程 各市町村によって異なり、年度によって募集を行わない市町村もあります。各市町村ホームページなどで詳細を確認することが必要です。
費用・会場 受験料は原則無料です。一部の地方公共団体などでは有料の場合もあるため、受験会場も各市町村によって違うので確認が必要です。
問い合わせ先 公益財団法人 日本人事試験研究センター
東京都新宿区片町4番3号 曙橋SHKビル
詳細な情報がわかるURL http://www.njskc.or.jp/