病棟の看護師のメリット

患者の情報を把握しやすい

入院中の患者さんが看護の対象になるため、ある程度の患者のメンバーは固定されている上、日勤の場合であれば夜勤の人から受け持ちの患者さんについての申し送りを受けます。自分が勤務していない時間帯の情報を収集すればその患者さんのトータルの情報が全て繋がり、情報を把握しやすいと言えます。

一方で外来の看護師の場合は、多くの患者さんに対応します。予約の状況を見て、それぞれの患者さんのカルテなどを用意し、それぞれの患者さんの血圧や体温などを測り、治療について聞き取りをします。

外来の場合、このように多くの人についてその状況を把握しておかないといけないのです。中には不条理なクレームをつける人もいて、そういった人にも対応しないといけないのです。

その病棟で働くための専門的知識の勉強会が多い

患者一人一人にあった看護について、看護スタッフ全員で学習をします。これについては自分の力をつける良い機会であると考えることもでき、その中で新しい発見もあり、それが充実した看護につながっていくのです。

また、病院内での研修だけでなく、院外での研修会や勉強会に参加することで自分の力をつけていくことも出来ます。

やりがいを感じられる

回復期病棟では、脳卒中や神経難病、整形外科領域の患者さんが入院していて、リハビリテーションをしながら日常生活ができるように回復できるよう援助していきます。それだけでなく、レクレーションなどの催し物を通して患者との関わりを深めることも出来ます。

このように人と人とのつながりが深いのが病棟での勤務です。患者さんが喜んでくれたり、元気になって退院する姿を見る時にやりがいというものを感じることができるのです。

患者の24時間の様子が分かる

病棟勤務で夜勤をして、初めて24時間の病棟の様子が分かります。そして、入院した患者さんが一日どのように過ごしているのかも分かります。

その一方で、外来での勤務を経験すると、外来に来た患者さんがどのような経過で入院してくるのかが分かるようになります。そして、退院した患者さんがまた外来に通うまでの一連の流れも理解できるようになるのです。

外来の勤務と病棟の勤務の両方を経験すると、一人の患者さんが病気を治療するのに病院のスタッフがどのように関わっているのかということまで理解でき、看護師や医師だけでは治療ができないことが分かってくるのです。

このようなことから、外来と病棟勤務とではどちらの方がスキルアップできるかと考えるよりも、いろいろな部署を体験しておくことが自分の看護師としての力をつけてくれるという風に考えるべきなのかもしれません。

病棟の看護師のデメリット

ただ、夜勤があることや日曜日や祝日祭日も出勤があることはデメリットでしょう。

外来の場合は、夜間の緊急外来がある場合以外は基本的に日勤のみです。休みも定期的に取れて、子育てをしながら看護師をしている人にとっては働きやすい職場であるということが言えるでしょう。病棟勤務での夜勤は体への負担も大きく、夜勤明けなど生活も不規則になりがちです。

病棟勤務は、ナースコールがあると何があっても駆けつけないといけません。そして、患者の元へ急いで駆けつけると、体のケアなどでなくて呼ぶほどの用事でないこともあります。治療についての話だけでなく、心の悩みや愚痴などを聞くこともあります。時には、そういった話を聞くことが苦しく感じることもあるのです。