看護師という仕事に就いていれば、毎日の残業や夜勤、休日出勤といった勤務はどうしても避けて通ることのできないものです。普段であれば問題なく対応することができるとしても、妊娠中となると話が違ってきます。

そこで、マタニティ看護師を守るために夜勤、残業、休日出勤はどうなっているのかまとめたいと思います!

労働基準法の観点

労働基準法の第66条では、妊産婦について時間外や休日の労働、深夜業といったことを禁じています。妊娠にともなって夜勤の免除や時短勤務といったことを希望する場合には、この条文が適用されることになり安心して出産に臨むことのできる法制度です。

業務の軽減

条件が揃っていることによって、正規職員などの身分は保障された上で一定の業務が免除されます。具体的には残業のほか、夜勤や休日労働が免除されることに加え、1日に6時間という短時間労働制度も利用することができるようになります。

交替制について

元々の勤務形態が変形労働制となっている場合についても、問題はありません。期間中については変形労働の対象として含まれないことになり、残業などは免除されます。

負担が大きい業務の回避

妊娠中は心身に不調をきたす場合もあるものの、一人一人の状態がまったく同じということはありません。人によってそもそも仕事自体をすることが難しくなってしまうような場合もあり、大きな負担がかかると厳しいというケースもあります。

免除制度の適用について

手続きや書式のフォーマットに関して、全国的に統一されているようなものはありません。職場単位で独自に書式を用意している場合、口頭で伝えれば対応されるといった場合もあります。

妊娠したことがわかったときには、すぐに職場へ報告する義務があります。これは入職してどれだけの期間が経過しているのかということを問わないため、採用されたばかりであっても報告すれば対象です。

実際にいつから業務が免除されるのかといったことについて、明確に法律で規定している条文はありません。現状としては、本人の体調に加えて現場の状況も鑑みた上で、状態を見ながら軽減勤務となる時期が調整されています。

対象となる条件

  • 出産後の勤務予定
  • 適用条件として、出産した子どもが満1歳になった後もそのまま勤務し続ける予定がなければなりません。そのため、退職することがすでに決まっている場合には対象外になります。

  • 非正規職員について
  • 採用にあたって契約期間が決まっていて、申し出た時点でそれから1年以内に退職することになっていると対象から外れる場合があります。所定労働日数が1ヶ月に2日以内などとなっている場合についても同様です。

免除制度を利用する上での問題

  • 躊躇してしまう
  • チームなどでシフト表が全員に渡っている場合など、自分の勤務予定も知られているといった場合があります。こういったケースではその後に時短勤務などを申し出て、シフトが変更されることに抵抗を感じてしまうといった例があります。

  • 職場の風土
  • スタッフに独身者の割合が高い職場だと、理解が得られにくい傾向もあります。そのために妊娠の報告が遅れてしまうという事例もあり、精神的なプレッシャーをなんとか和らげようと医師による診断書を提出する場合もあるのですが、これは必須ではありません。

  • 考え方の問題
  • 利用することのできる制度が豊富に整っているとしても、どうしても妊娠が病気ではないというところから周囲への迷惑について考えてしまい要望も出しにくいといった実例が多く見られています。さらに嫌味を言われ退職をほのめかされるなどといったように、旧来の考え方が見られる職場も残っていて、タイミングを逃してしまうということもあります。

雇用形態は変更すべき?

夜勤や残業をしていて身体がつらいとなると、「パート・アルバイトとして勤務するのであれば問題はないのではないか」といった考え方もあります。この点については自らの希望するところであれば良いのですが、職場の側で合意がないまま勝手に身分を変更するといったことは労働条件の不利益な変更となって違反行為です。