助産師外来とは

どんなことをする場所?

助産師によってお腹の赤ちゃんに関する問題や母体における異常の有無などをチェックする目的で、妊婦健診などが行われています。

従来では妊娠している女性は産婦人科で医師による診察を受けなければなりませんでしたが、医師でなく助産師が常駐しています。

具体的な仕事内容

病院によって内容に多少の違いはあるものの、おもにエコーで赤ちゃんの身長や体重を測定するほか尿検査や保健指導を行うことは共通しています。

その他、バースプラン作りや妊娠、出産に関する不安への相談にも対応しています。

大まかなシステム

基本的に完全予約制で、待ち時間もなく利用する側にはストレスが生じません。30分から60分といった時間が確保されていて、安心していろいろ相談することができ、また旦那さんや子どもたちも一緒に話を聞くことが可能です。

増えているニーズ

産科医が不足していることで深刻な社会問題にもなっている中、多くの病院において設けられるようになってきています。比率としては、医療機関の2割程度に及んできています。

やはり助産師は医師がいるいないに関わらず赤ちゃんを取り上げることができますし、妊婦健診にも対応することができるということで存在感を増しています。妊娠や出産に対してもそれぞれの人で考え方がかなり多様化していて、そこへ応えるものにもなるのです。

設置するメリット

  • 病院の利点
  • 産婦人科医にかかる負担がかなり少なくなり、病院としては待ち時間を短縮することで回転率が向上することも期待されます。外来についても余裕が生じることで、しっかり一人一人と信頼関係を築きつつ納得することのできる対応にもなります。

  • 助産師の利点
  • 能力を活かすことのできる新たな場であり、専門性を高めるチャンスになるとともにスキルアップにも繋がります。独立開業するとなると助産院として必要な環境を整備しなければなりませんが、病院に備わっている機器も使用することができ医師との連携体制も万全です。

  • 利用者の目線
  • 助産師は女性にだけ認められている資格であるということもあり、妊娠中の女性からしても医師へ相談する場合に比較してリラックスすることができるといったところがあります。リスクを考えて出産自体は病院で希望している場合でも、普段の定期的な健診は落ち着いた環境で助産師に任せたいという人が少なくありません。

助産師外来と産婦人科の違い

対象について

  • 助産師外来の対象
  • 助産師外来は誰でも利用することができるというわけではなく、正常に出産することのできる人に対象が限られています。健診や相談に乗ることもできますが、それは問題なく出産することができるとわかっている人に対してだけです。

  • 産婦人科の対象
  • 妊娠中毒症がある人やお腹の赤ちゃんに何らかの異常が発見されている場合などは、産婦人科でなければ対応することができません。そうでなくてもやはり医師の診察を受けたいといった場合には、産婦人科を受診することが可能です。

「棲み分け」による影響

助産師外来が増えてきたことによって、産婦人科の医師にとっては妊婦健診などの業務割合が低下しています。そのために、リスクのある妊婦さんに対して集中的なケアを行うことが可能になりました。

助産師外来の料金

利用料金について

産婦人科を受診する場合と比較して、それほど大きく異なることはありません。自治体によって、妊婦健診への補助金が出されている場合も多くあります。

普及のための補助金制度

新たに助産師外来を開設するにあたって関係者の研修が実施される場合、すでに現場で活躍している医師や助産師を講師として招くためにかかる経費の補助制度があります。また、施設や設備を整えるために必要な経費も一部が補助されるようになっています。