海外へ飛び出すきっかけや志には、様々なものがあります。

「語学力を活かしたい!」あるいは「経験を積む」目的で、更には「発展途上国のお産にかかわりたい」といった人もいるでしょう。

タンザニアで活躍した日本人助産師

厳しい医療環境

3年間に渡ってアフリカの地で活躍してきましたが、病院では電気や水道といったインフラも満足なものではありませんでした。水はなんと雨季に溜めたものでやりくりし、当然ながら医療機器なども揃ってはいません。

救えない命

日常的なケアに加えて蘇生も十分に行うことができず、分娩室で亡くなる妊婦さんや赤ちゃんも少なくありませんでした。それを目の前にしながら助けることのできない自分に対し、やるせなさやもどかしさばかりが募っていきました。

分娩介助より妊婦健診

そもそも妊産婦が亡くなるような事態にならないよう、活動の重点を妊婦健診に置くこととします。

タンザニアには妊婦健診というシステム自体がなく病院にいても健診のために来る人がいませんから、自分で村々へ赴いて妊婦健診を実施しその大切さについて伝えました。

栄養面のサポート

タンザニアでは、妊婦さんの鉄分不足が深刻な状態にもありました。そこで簡単に育つ野菜の種を配り、それを育てて食べてもらうことで対策をとりました。

現地での実績

国が貧しく医療設備は乏しく衛生状態も悪いという中でも、妊婦さんを守り安全なお産によって妊産婦や新生児の死亡を防がなければなりません。保健センターや集落における妊婦健診、産後ケアなどといった母子保健活動によって妊婦健診の基盤をつくることに貢献しました。

ドイツで活躍する日本人助産師

現地へ渡ったきっかけ

高校時代の留学先であり、ホストマザーが産婦人科で勤務していたこともあって見学した経験が契機となりました。高校を卒業してから再び現地へ渡り、助産師の資格を取得した上で働いています。

出産をめぐる事情

ドイツではそもそも妊婦や赤ちゃんが社会によって守られるものであるという考え方から、妊産婦にとって良い環境が整っています。

出産にあたっての金銭的な支援が充実していて全ての費用は健康保険によってカバーされ、産後には助産師が各家庭を訪問して産後のケアなどにあたっています。

助産師の資格を取得しやすい

助産師学校へは無料で通うことができ、実習中には給与も支給されます。さらに残業管理がしっかりしていて、休日もしっかり取ることもできるため資格を取得するにも余裕があります。

助産師として海外で働くための方法

就職先を見つけるために

単身で海外へ行っても就職先となる病院を探すことは非常に困難であり、病院であれば大学病院などで経験を積んだ後に海外研修やインターンといった形で勤務先を模索することになります。

医療環境のほか治安や暮らしやすさなども含め、環境の整っている地域をある程度自分で選択することもできるようになっています。

場所を問わないならば

青年海外協力隊や国境なき医師団などといった団体へ所属することもひとつの選択であり、ボランティアとして海外へ派遣される機会があります。

ただ貧困に苦しんでいる人たちの援助といった目的がありますから派遣先も発展途上国であり、不十分な医療環境や劣悪な衛生状態といったように日本国内で考えることのできないような状況下での仕事となります。

英語力を身につける

英語圏以外で仕事をすることになり現地の言語がわからないとしても、最低限必要とされます。また、現場が多国籍ですと一緒に働く他国のスタッフとコミュニケーションをとるにあたっても英語による意思の疎通が重要なものです。

そのため、TOEICなどを通じ実務にも役立つ英語力をしっかり学んでおく必要があります。