助産師に向いている人

体力があること

出産は待ってくれません!いつ始まるかもわかりませんから、妊婦さんと共にいつそうなっても対応することができるよう常に準備していなければなりません。職場によって勤務の仕方は違っていますが、様子を確認したり健康状態をチェックしたりする必要もあり落ち着くことのできる時間はほとんどありません。

人によって陣痛が長く続く場合もあり、難産ですとかなりの長時間に及ぶということも十分に考えられます。勤務時間は決まっていますが、お産が始まればその途中で抜けることもできずにそのまま仕事が続きます。

更に、何らかのトラブルが発見された時にはすぐに対応しなければならず、長い時間に渡って仕事が続いても気にならないといったほどにパワフルであれば理想的です。

状況によっては夜勤が続くこともあり得るほどに過酷であり、助産師は体力が勝負です。赤ちゃんが好きであるというだけではなかなか続けることも難しいところがあります。

強い精神力があること

必ずいつも無事に赤ちゃんを迎えることができるとは限らず、死産という悲しい結果を時には受け入れなければなりません。元気な赤ちゃんが産まれたお母さんをお祝いした後で、悔やみを言わなければならないという場合もあります。

悲しい気持ちを引きずっていても、次々に新たな生命は誕生します。気持ちが滅入ったときに立ち直るまでに時間がかかってしまい、次の新しいお母さんへ笑顔を向けることができないということでは仕事になりません。

生命が誕生するという素晴らしい瞬間に関わることができるという仕事の素晴らしさは、変わるものではありません。悲しい経験があったとしても、やりがいを忘れずにぶれない気持ちが求められます。

臨機応変な対応力

出産へ臨む際の対応について、予定していたものから状況次第で急遽の変更が行われるといったことも往々にしてあります。

例えば、初めは普通分娩になる予定だったものが、母体の急変によって帝王切開をしなければならなくなるといったこともあるのです。急な予定の変更があったときに慌ててしまうようであっては、それが妊婦さんへも伝わってしまい不安を感じさせることにもなります。

どのような事態があったとしても、また何を言われたとしてもそれに対してすべきことを即時に判断することが求められます。

「専門職として冷静たれ」プロのスタッフとして、レベルの高い仕事をしなければなりません。右往左往しているようであっては、務まらないのです。

一定以上のコミュニケーション能力があること

特に初めての出産を迎える妊婦さんや赤ちゃんが生まれたばかりのお母さんは様々な不安を抱えていて、それに対する精神面のケアが最も難しい仕事のひとつでもあります。経験のなかった出産に伴い、わからないこともたくさんあり、それに焦ってしまって気持ちの苛立ちやうつ状態といったように精神的な落ち着きをなくしてしまう人も多いのです。

経過観察や授乳指導といったことばかりを優先的に考えてしまって、お母さんの不安な気持ちに気づかないとなれば知らず知らず傷つけてしまうことにもなりかねません。お母さんたちにとって頼ることのできる存在でなければならず、泣かせたり不安がらせたりするようなことがあってはならないのです。

元から性格が穏やかで人からも話しかけやすいといわれるタイプの人には適性がある一方、人との関わりが苦手となれば資質として努力しなければならないところがあります。

コミュニケーションを得意とし、妊婦さんやお母さんにとっても相談しやすい存在になることは助産師の目標です。