仕事の幅を広げて更なるニーズに応えようとすることは自然であり、そのためにキャリアアップを考えることにも大きな意味があります。
助産師は高齢になっても活躍することができるということで一生ものの資格でもありますから、何歳になったとしてもそこから勉強をスタートさせ向上していくことが可能です。
スキルアップとキャリアアップの違い
スキルアップは、院内教育や現場で実際に経験したことを吸収し自分の知識・技術にすることで、キャリアアップとはそれによって自分の立場や経歴を上げていくことを言います。
スキルに資するものとして最も身近なものは院内教育であり、大学病院や総合病院ともなれば様々なスキルの開発プランが整えられています。レベルに応じて知識や技術を段階的にしていくクリニカルラダー制度が一般的であり、管理職、スペシャリストといった段階までフォローされています。
具体的に、院内教育に参加したからと言って直接何かしらの資格を取得することができるというわけではありません。あくまでもそれぞれの病院に独自の教育方法であるということから、退職した後は経験やスキルに評価されるもののキャリアアップとは認められない傾向もあります。
しかし、多種多様なお産に立ち会って経験を積んでいくこと自体も大きな教育機会で、それに加えて研修会や勉強会へ参加すること、また多くの助産師から体験談を聞くようなことも自分を成長させキャリアアップに繋がるのです。
独立という道
助産院を開業する
出産と一口にいっても、病院と助産院とではまったく異なったものです。少子化の進行に加えて産婦人科医が減少している状況も重なり、産科の休診や閉院が増えているため、助産院という存在自体が見直されつつあります。
助産師外来・院内助産院
妊婦さんの出産に対するニーズも多様なものになってきていて、それに応えるかたちで設置する病院が多くなってきています。お産自体は扱わずにお母さんのフォロー、産後ケアといったところを活動の中心にしている人も増えています。
キャリアアップ資格
専門看護師・認定看護師
専門性を高めるべく大学院へ進学して母子保健のほか分娩や母乳育児、メンタルヘルスなどといった分野の学科について詳しく研究する道があります。その上で資格を取得して、現場でその知識を活かすことが可能です。
■認定看護師の具体的な分野
- 感染管理
- 不妊症看護
- 新生児集中ケア
- 小児救急看護
■専門看護師の具体的な分野
- 小児看護
- 母性看護
- 感染症看護
- 家族支援
資格を取得する上では現場での経験年数や通学、受験なども必要であるため助産師として働きながら勉強することは大変です。規模が大きな病院ではニーズも高い資格であることから、働きながらでも資格を取得しやすくなるよう支援体制を整えている場合が多くあります。
母乳に関する資格
助産師として母子のケアをする上で必ず役に立るものであり、マッサージのやり方について習得することで質の良い母乳がスムーズに出るようにします。
母乳育児支援にかかわっている専門家へ向けた団体であるNPO法人国際ラクテーションコンサルタント協会でも、さまざまな講習会や学習会によってキャリアアップをサポートしています。
母体をケアするための資格
お産へ向けてはマタニティビクスやマタニティヨガ講師といった資格を活用することができ、産後には母体を産前の状態へ戻すための骨盤ケアに関する資格なども活躍します。
また、アロマセラピーに関する資格があれば妊婦さんや産後のお母さんを香りでリラックスさせるほか、オイルマッサージなどを行うことも可能です。
赤ちゃんに関する資格
お母さんと赤ちゃんが様々なかたちでコミュニケーションをとることも注目されるようになってきています。そういったことから、ベビーマッサージやベビーダンス、ベビーサインなどの資格もあると便利です。
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