慢性心不全看護認定看護師とは

役割

慢性心不全看護認定看護師は慢性心不全を抱える患者に対して、心不全憎悪の回避や予防のためのケアを行うというのが、おもな役割となります。患者がどういった時に心不全を起こしやすいのかをモニタリングによって把握し、心不全の回避や予防のために、生活習慣の改善や、自己管理能力を高めるといった指導などをを行います。

また、自宅療養する患者に対して、服薬や食事管理、感染予防といったセルフケアの指導を行ったりもします。ただたんに食事制限を強いるというのではなく、食材をおいしく調理するための工夫や、減塩や無糖などの調味料を紹介するなど、患者がなるべく生活を楽しむことができるよう、セルフケア能力を高める指導を行うというのが大きな役割となっています。

その他にも慢性心不全看護認定看護師には、他の看護スタッフに対して看護の質を高めるための指導を行ったり、看護スタッフの相談に応じるなどといった役割もあります。

求められる専門知識や技術

慢性心不全看護認定看護師は心不全が起こりやすいとされるさまざまな状態・症状に関する専門知識や、患者のセルフケア能力を高めるための技術などが、求められます。

慢性心不全が起こる原因はさまざまですが、最近では糖尿病や高血圧といった、生活習慣病が起因して起こることが多くなっています。特に、急性心筋梗塞は、心不全の起こる最大の原因となっています。そのため、こういった要因を事前に取り除くために患者を指導するということが、慢性心不全看護認定看護師に求められています。

適切な指導を行うためには、モニタリングによって、患者の生活習慣や食習慣、喫煙の有無などを把握するということが不可欠となります。塩分や糖分の摂取量や患者が1日に必要とする運動量などを算出し、毎日実践できる範囲内で指導を行います。慢性心不全は高齢者に起こりやすい傾向があるため、高齢者の健康維持に関する知識なども必要となります。

慢性心不全看護認定看護師になるには

資格取得方法

慢性心不全看護認定看護師は、各地にある認定看護師教育機関において、慢性心不全看護に関する専門的な教育を受けた後に、認定証の交付・登録を受けるということが必要となります。

慢性心不全看護認定看護師の専門課程は6ヶ月間、615時間以上となっており、受講中は職務に就くことができないため、病院などに勤務している場合には一旦職場を離れることが必要となります。受講に際しては、看護師免許を取得してから通算5年以上の実務経験、うち3年以上は慢性心不全看護に関わる実務経験といった、受講資格を満たしていることが必要となります。

受講終了後には、筆記試験(マークシート方式・四肢択一)による認定審査が行われ、合格することによって、慢性心不全看護認定看護師認定証の交付・登録を受けることができます。

なお、慢性心不全看護認定看護師の認定証は、高い専門看護の質を維持するため、5年ごとに更新を行うことが必要となっています。

資格保有者数

慢性心不全看護認定看護師は、2012年に誕生した新しい認定看護師の分野でもあります。2012年の時点では60人となっていて、まだ少ないという状況です。

難易度・合格率

誕生したばかりの資格であるため合格率のデータはまだはっきりしたものではありませんが、慢性心不全看護認定看護師の専門課程を受講した看護師のほとんどは、認定審査に合格をしています。初めての認定審査では、60人全員が合格をしています。

しかし、決して難易度が低いというわけではなく、志の高い看護師が多いため、合格率は高くなっています。

慢性心不全看護認定看護師の資格取得後

活躍できる職場

慢性心不全看護認定看護師は病院やクリニックの循環器科や循環器内科、循環器センター、成人病センター、保健所、高齢者施設などで活躍しています。

将来性

慢性心不全は高齢者に多い疾患となっているため、高齢者の増加にともなって、適切なケアを提供することができる慢性心不全看護認定看護師の需要は、高くなって行くことが予想されています。慢性心不全は生活習慣病の一種でもあるため、成人病センターなど、幅広い場所で求められることでしょう。