集中ケア認定看護師とは

役割

集中ケア認定看護師は、認定看護分野の1つである集中ケア(Intensive Care)について、熟練した技術や知識を有する看護師のことを言います。

集中ケア認定看護師の主な役割は、重症患者や集中治療の必要な患者へ対して、専門的・技術的な看護を行うことです。また、患者の治療に関する看護の他にも、日常生活やリハビリテーションのサポート、患者の家族へ対するサポートも、集中ケア認定看護師の重要な役割となっています。

求められる専門知識や技術

集中ケア認定看護師に求められる専門知識や技術は、幅広いという特徴があります。というのも、集中ケアの知識や技術そのものが幅広いということに加え、進歩の著しい分野でもあるためです。

集中ケア認定看護師に求められる専門知識や技術の主なものには、病状やその変化を読み取り重篤化を防ぐ看護技術、二次的合併症を予防する知識や技術、回復へ向けた早期リハビリテーションの技術などがあります。

また、医学的な裏付けを持つフィジカルアセスメントに関する知識や技術、患者やその家族の身体的・精神的な負担を軽減するようなサポート技術なども求められます。その他にも、重篤化しやすい症例についての知識やその看護技術といった、基本的な知識や技術も必要です。

集中ケア認定看護師になるには

資格取得方法

集中ケア認定看護師になるには日本で看護師免許を取得後、実務研修が通算5年以上あることが第一条件です。そのうち3年以上は、集中ケア分野の実務研修である必要があります。

集中ケア分野の実務研修の基準としては、手術室・ICUでの実務研修を除き通算3年以上、集中ケア分野や小児集中ケアでの看護実績、高度な侵襲を受けた患者を5例以上担当した実績、そして現在、集中ケア分門で勤務することが望ましいということがあります。これらの実務研修実績を満たす看護師は、認定看護師の教育機関で合計615時間以上の教育課程を受けることができます。

この教育課程を修了すると認定試験(筆記)があり、合格すれば集中ケア認定看護師として認定証の交付・登録が行われます。集中ケア認定看護師は5年ごとに更新が必要となり、その際には書類審査が行われます。

資格保有者数

集中ケア認定看護師の資格保有者数は、2014年2月時点で840人を超えています。皮膚・排泄ケアや緩和ケア分野などに比べると少ないですが、21分野全体で見ると比較的多い傾向にあります。

難易度・合格率

集中ケア認定看護師の認定試験は、難易度はそれほど高くありません。

というのも、認定看護師教育機関で615時間を超えるカリキュラムをこなすため、この時点で受験者はそれなりの専門知識や技術を身に付けているためです。また、認定試験で出題される問題が、この教育課程で学んだ範囲から出題されることも理由の1つです。

合格率は90%を超えており、学んだことを身に付ける努力を怠らなければ、認定看護師を目指す際のネックとなることはほとんど無いでしょう。

集中ケア認定看護師の資格取得後

活躍できる職場

集中ケア認定看護師が活躍している職場の多くは病院で、少数ではあるもののクリニック・診療所などもあります。病院にも様々な部署がありますが、ICU・CCUなどに勤める集中ケア認定看護師が多く、他にも病棟や救命救急センターなどにも多くいて、このような職場は集中ケア認定看護師が活躍できる職場として知られています。

診療科目で見ると、外傷を負った患者の多い外科や様々な症例を診察する内科、その他、手術の多い診療科では集中ケア認定看護師の需要が高く、活躍できる職場です。

また、病床数の多い病院も集中ケア認定看護師が活躍できます。さらに、医療機関に限らず、学校・大学や認定看護師教育機関などで活躍している人もいて、活躍の場は幅広くあります。

将来性

集中ケアの専門知識や技術は、重篤な病気や外傷を負った患者とその家族にとって不可欠なものです。医学の進歩や医療技術の高度化に伴って、治療により回復できる可能性も高まってきています。これには集中ケア認定看護師の存在も大きく影響しており、今後も需要が高まるでしょう。

集中ケア認定看護師の能力を必要とする医療機関も多く、就職や転職の際には有利になることもあります。そのため、看護師として長く働いたりスキルアップを目指したりする場合には、有望な資格です。