ひとつの職場において長く勤め続けることが当たり前であったひと昔前には新卒者よりも給与を下げられるといった事例もありましたが、もはや古い話になっています。そもそも「第二新卒」という表現もあまり良いものではなく、入職を想定して教育システムや給与体系はしっかり整えられるようになっています。

事実、新卒者に比べて第二新卒者がより優遇されるという場合も、少なくありません。ただ、そういった事情はあまり知られていないところもあります。

また、総じて第二新卒者は長続きしないといった見方をされる傾向もあってどちらかというとマイナスイメージですが、人材不足が続いていて初期教育も重視される看護現場では逆にプラスです。

職務経歴としてしっかりアピールし、面接でも臨床経験を堂々と伝えることで年齢相応の給料も期待することができます。

【ケース別】第二新卒看護師の給料・待遇

看護師としての前職がある第二新卒者の給料・待遇

看護学校や看護学部、看護学科を設けている大学で学び卒業してから新卒者として病院へ就職し3年以内に離職した場合です。第二新卒看護師としてはもっとも多く、全体の半数以上を占めています。

3年以内であっても臨床経験を持っていますから看護師として最低限の知識や技術は学んでいるということで、現場の事情についてある程度わかっていることがプラス要素とされます。新卒者と違ってあらたに新人教育を行う必要がなく、すぐに入職しすぐに戦力として計算することができるところも歓迎すべき点です。

看護師のキャリアにおいて心身ともいちばん大変であるとされる最初の3年間のうちに、理想と現実のギャップなどから離職する看護師は非常に多くいます。その中では別の道を志向する人が大半であるため、もう一度看護師として別の職場で働こうという第二新卒者は歓迎すべき人材ということになるのです。

給与に関しては、よほどのことがなければ、待遇を含めて好意的に評価されます。経験も加味された上で、高めの金額が提示される傾向もあります。

異業種での前職がある第二新卒者の給料・待遇

看護学校を卒業したことで、看護師免許は得ています。ただ看護師ではない職業へ就いて、3年以内に離職した場合などです。

業種や職種は違っているとしても、新卒者として数年間の社会経験を積んでいることは大きな実績になります。新社会人としての苦しい時期に耐えることができず職場を離れ、その後しばらく定職へ就くことができないという人も少なくないのです。

異業種においての社会経験を持っていることで、より広い視野を持っていると判断されることにつながります。リアリティショックを理由とした離職や看護師という職業について過剰に理想視するといった可能性も低くなりますから、職場での期待もそれだけ高まります。

給与に関しては、基本的には新卒者と同様の扱いによって金額が算出され、そのほか職場によっては社会経験があることをプラスにとらえて上乗せした金額が設定される場合もあります。また金額そのものは新卒者と同じである場合であっても、待遇面で優遇されるといった可能性はあります。

看護学校卒業後すぐに就職しなかった第二新卒者の給料・待遇

看護学校は、卒業しています。その後就職することなく、期間が開いてしまった場合です。

臨床経験はまったくなく、ほかの職種を経験しているわけでもありませんからプラスにもマイナスにもなりません。とにかく看護師という職業については教育機関で学んだ知識だけがすべてですから、職場側としても新卒者と同じ扱いをするほかないということになります。

給与に関しても、新卒者の給与体系とまったく変わるところはありません。加味されるべき要素はなく、逆に評価を下げられるべき点もないのです。