訪問入浴サービスが拡大している中、スタッフとしてかかわる看護師はより多く求められるようになっています。その中にはアルバイトやパート、派遣社員として働いている人も少なくありません。

訪問入浴というサービスは、都道府県知事の指定法人である事業者か市町村が認定している事業者によって提供されています。ただ日々の訪問件数に見合ったスタッフの人数を確保しなければならないため、フレキシブルに働くことのできるアルバイトやパートなどのスタッフが重宝される傾向もあるのです。

正職員と非常勤職員の仕事内容の違い

正式には訪問入浴介護ということで、対象者は要介護認定を受けていて自宅で入浴することが困難な高齢者です。介護ヘルパーと看護師のチームで動き、そのうち看護師は基本的に1人ですが要介護認定の高い高齢者に対しては2人で仕事をすることもあります。

入浴前後のバイタルチェックや健康観察が中心であって、利用者が入浴に適していない健康状態であると判断されれば中止の決定などもします。そのほか事業者によってはヘルパーの仕事を補助することも求められますが、正職員であってもアルバイトであっても立場は関係なく仕事の内容に違いはありません。

アルバイト・パートと派遣職員の違い

事業者の人材確保に関する考え方から、違いが生じています。アルバイトやパートは事業所が直接雇用している場合であり、人材派遣会社が間に入れば派遣職員として勤務することになります。

事業所としては、直接スタッフを雇用する場合と比較して人材派遣会社を利用する料金がより格安になるケースもあります。そのため、派遣社員として働くことで時給は高額に設定されている傾向もあります。

アルバイトやパートですと1,800円から2,200円、派遣社員ですと2,000円から2,500円といった金額が平均的です。日曜・祝日料金が設定されているといった場合もあり、フルタイムでの勤務にあたるときには社会保険などの加入対象にもなることがあります。

非常勤職員として訪問入浴の仕事をするメリット

事業所で雇用しているスタッフだけで手が足りないような場合に活用されることが多いため、仕事の量としては安定しているということができません。裏を返すと月に1回程度だけ勤務したい、残業をしたくないなどといったように働く上で希望する条件があれば融通の利きやすいところもあります。

特に東京などの大都市圏においては、訪問入浴サービスを利用する人が非常に多くなっています。そのため、非常勤職員であっても比較的安定して仕事を得ることが可能です。単発~短期まで自分の都合に合わせて期間を選ぶこともでき、ダブルワークや副業として働きたいという人におすすめです。

また、仕事上、看護師として専門的で高い技能が求められるというものではありません。そのため、現場を離れてからやや時間が経っているといった人にも挑戦しやすくなっています。

訪問入浴の仕事で活躍できる看護師の特徴

●コミュニケーションが得意な人
女性のスタッフも多いため、チームとして連携を図るにあたってもいろいろと気を遣うところがあります。実際に現場へ入る頻度が月に数回といったように低い場合にはなかなか同僚からの信頼も得られにくいため、高いコミュニケーションスキルが求められます。

また、高齢者の中には決まったメンバーでなければ気を許さないという人もいて、不快な思いを一度してしまっただけでもその後の利用が断られるようなことは少なからずあります。対応には細心の注意を払わなければならず、たとえ短期や単発の勤務であっても言葉遣いや立ち居振る舞いは重要です。

●体力に自信がある人
純粋に看護師としての仕事だけをしていれば良いと決められていれば良いのですが、事業所によっては利用者の移動や浴槽の運搬を補助するなど力を使う場面も少なからずあります。1日に複数軒数の訪問をしているうちに、体重が減少してしまうといった人もいます。