リハビリテーション科に努める看護師に求められる資質として、障害や機能低下に落胆する患者さんを勇気づける元気のよさや、前向きな姿勢が必要です。また、上手く回復を実感できない患者さんに対して精神的な支えとなり、心を支える支援者となる事も求められます。

リハビリテーションと言えば、リハビリ療法士が主体と考えられがちですが、リハビリテーションの専門家であるリハビリ療法士は、機能回復へのかかわりは行いますが、じっくり患者さんと関わってメンタルケアを行うと言うことはありません。

患者さんの苦痛や辛さなど、心の闇に入り込み、より深い精神的な付き合いを行うことを要求されるのが、リハビリテーション看護師の役割でもあります。

そのようなリハビリテーション科で働く看護師のメリットとデメリットについてまとめてみます。

リハビリテーション科看護師のメリット

患者さんと深く関わることができる

患者さんは障害や身体機能の低下ということで落胆していますから、勇気づけることのできる元気の良さや前向きな姿勢が信条であれば大いに活躍することができます。

そして、担当するそれぞれの患者さんに対しては、時間をかけて落ち着いて向き合うことができます。

着実に回復していく患者さんに対してはともに喜び、うまくいかず気落ちしている患者さんにはどこまでも付き合うといったように心のゆとりが求められるところもあります。

いずれにしてもとことん患者さんへ寄り添うというところでは、看護というものの根本に立ち返ることとなります。

結果が見える

リハビリテーションの結果として患者さんの機能が回復してくると、それを実際に感じることができます。またその喜びは、一緒にわかちあうことができます。

働きやすい職場環境

患者さんの容体自体はある程度安定していますから急変、急な処置などが必要とされる場面が少なく就業環境として比較的落ち着いています。

ワークライフバランスをしっかりとりたいといった場合にも、勤務時間を調整しやすくなっています。

また、業務の量や内容が安定しているため、あわてることなく仕事を進めていきやすいところがあります。極度に緊迫している状況であることが苦手に感じられる場合も、大きな心配はありません。

専門性の高い分野でのスキルアップ

回復期やリハビリテーションに関して十分に経験を積むことができ勉強にもなり、キャリアアップに適している環境です。

多くの職種と連携する中で、さまざまな方面の専門家から学ぶ機会も多くあります。

リハビリを必要とする患者さんは、それぞれ症例や症状もさまざまです。個別性を考えた上でのケアが求められますから、マンネリとなることもなく一人一人に見合った看護を存分に考えることになります。

リハビリテーション科看護師のデメリット

体力面が求められる

診療科として障害や後遺症を持っている患者さんが対象になっているため日常生活の支援から検査、処置などに体力が必要とされるところも少なからずあります。

特に病棟でスタッフが少なくなる夜間で、排泄や睡眠などに関してナースコールが多くなる傾向もあります。

スキルアップの方向性が偏ってしまう

患者さんの健康状態でいえば、安定していることが多くなっています。

そのため処置や継続的な身体ケアが必要とされるケースはそれほど多くなく、多くの医療経験を集中的に積みたいとなると必ずしも適していないとも考えられます。

バリバリ働ける職場ではない

とにかくいつも俊敏に動いていたいという場合ですと、逐次患者さんのペースと合わせて対応するということについてやりがいが感じられにくいという声もあります。

時に患者さんのことを待つほかないといった場面に対して、気持ちのいらだちを覚えるような人もいます。

患者さんからイライラをぶつけられることも

患者さんによってはなかなかリハビリがスムーズに進まず、回復も実感されにくいということもあります。

他の診療科でも同じですが、そういったいらだちや憤りにも寄り添わなければならず、時には暴言や暴力の対象となってしまう可能性もあります。