クリニックで働きたいけれど、クリニックのボーナスって一体どうなんだろう?

ボーナスが出ないのではないかと心配される方もいると思います。

実際にはボーナスを支給しているクリニックが多く、その点では安心できると思います。

しかしボーナスは年収に関わりますし、実態が気になるところですよね!

そこでクリニックのボーナスの実態を見てみましょう。

ほとんどのクリニックでボーナスが支給されているけど…

金額の多い少ないは別にして、ほとんどのクリニックでボーナスは支給されています。

求人案内を見るとほとんどのクリニックで、賞与の欄に「年2回」と書かれてあったり、「基本給の◯ヶ月分」と書かれてあります。

しかし、注意しなくてはいけないのは、求人案内の賞与の欄は、前年度の実績であり確約された金額ではありません。

病院では多かれ少なかれボーナスは毎年出ていますから、働いていれば必ずあるものと思いがちです。

しかし実際は事業主が必ず支払はなくてはいけないものではありません。

クリニック契約時の規約にボーナスについて詳細に書いてあるのに、実際は違ったという事でしたら話は別になりますが、クリニックに勤めてみたら求人案内よりもボーナスが低かった、若しくはもらえなかったという場合があっても致しかたない事なのです。

クリニックのボーナスは、どのように決まるの?

病院では、自己の業績や自己能力の向上(コンピテンシー)などで決めると言われますが、実際のところは病院の収益に応じて、金額の若干の変動はあるもののその年のボーナスの支給額が決められていますよね。

また組織としてボーナス支給のルールや規約があり、最終決定は病院長や理事長がボーナス額を最終決定しています。

クリニックでもボーナスについての決定は経営者である院長先生が行いますが、クリニックにおけるボーナス額の決定は経営状態や院長先生の判断がダイレクトに深く深く関わってきます。

どういうことかといいますと、クリニックの院長先生は個人事業主ですので、ダイレクトにクリニックの収益や院長先生の意向がボーナスに影響してきます。

あるクリニックに勤める看護師の中には、「院長先生の意見に賛同できず議論を交わしてから関係がギクシャクし、ソリが合わなくなってしまった。

その結果その年から、ボーナスが大幅に減額されてしまった」という話も聞きます。

このように個人事業主である院長先生がお給料もボーナスも全て決めていますので、ボーナスは院長先生の考えが大きく影響してきます。

ボーナスの多いクリニックと少ないクリニックの傾向

先に述べたようにクリニックの収益によって、ボーナス支給額に差が出てくる傾向にあります。

つまり安定した収益があるクリニックほどボーナスは頂けると考えて良いと思います。

例えば、美容外科クリニックやAGA専門クリニック、がん専門治療クリニックなどの自由診療を多く手がけるクリニックはボーナスの期待度が高いです。

他にも地域に長く根ざし患者さんの信頼を置いているクリニックや院長先生の先代から続いているクリニックなども安定した収入が得られています。

このようなクリニックは安定したボーナスをいただける傾向にあります。

その反面ボーナスの少ないクリニックとしては、オープンしたばかりのクリニックなどでは金額が少ない傾向にあるようです。

新規クリニックでは開院に向け、様々な医療機器代や備品代、建築費用など多額の借り入れをしているのが現状です。

開院したばかりの新規クリニックは、まだまだ患者さんも定着していませんし、借り入れの返済と毎月の人件費の支払いだけでお金の周りが厳しくなるという事も少なくないようです。

しかしそれでも、「寸志※」という形でスタッフさんに支給している新規クリニックも多く、経営が厳しい中少しでも支給してあげようと思う院長先生の思いが伝わってきますね。

※寸志とは、①少しの気持ち。わずかの厚意。自分の気持ちをへりくだっていうことが多い。②心ばかりの贈り物。(大辞林 第3版より)

新規クリニックのオープニングスタッフというのは、スタッフみんなでクリニックを作り上げていく一体感ややりがいを多く経験できます。

クリニックの運営自体軌道に乗せるのが大変で、スタッフ皆で協力しあっていますから、院長先生の気苦労も理解しやすいとも思います。

そんな大変な中でも、寸志としてでも出して下さった事を思うと、より有り難く思えますよね。

私の勤めるクリニックでは開院して4年目の時に就職しました。初めの年は、「寸志」として夏・冬共に4万円頂くことができました。

契約時にボーナスについて詳細には問い合わせなかった事や開院したばかりのクリニックである事から、正直あまりボーナスを期待せず無い物と思っていました。

ですから就職した年から「寸志」という形でしたが、頂けた事は、とても嬉しかったです。

ちなみに院長先生の奥様の話ですと、どこのクリニックでも開院して6、7年は返済に追われ、クリニック経営がキビシイ状態が続くそうです。

クリニックのボーナスの相場

ではクリニックのボーナスの相場はどのくらいなのでしょうか?

個人クリニックの相場は、基本給の1.5ヶ月分/年のところが多く、クリニックではパートさんにも支給しているところが多いように思います。

しかし、経営状況や院長先生の意向から寸志程度(1〜5万円)の支給となるクリニックもあります。

個人経営ならでは、クリニックにとって看護師がいないとダイレクトに成り立たないですので、パートさんにも支給して労いの意を表すクリニックが多いのでしょう。

安定したボーナスの高給が望めるクリニックは、地域差を考慮してもやはり自由診療を多く行う、美容外科クリニックです。

基本給の4~6倍/年のボーナスを設定している美容外科クリニックも結構あります。

さらに美容外科クリニックによっては、その日の売り上げに応じ臨時ボーナスを出すクリニックもあるので、驚きですよね!

最後に

今は少額でもスタッフにボーナスを支給しようと気遣ってくださるクリニックがほとんどです。

逆にボーナスを出さない、ボーナスを大幅にカットするような横柄なクリニックでしたら、患者おろか働くスタッフの信頼も得られずスタッフの入れ替わりが激しく、クリニックの存続危機に陥っている事でしょう。