医療機関や介護施設ではなかなかカレンダー通りの勤務ができない一方、企業ならば家族と休みのタイミングが合いやすいため、就職先として企業を検討しているママナースが増えています。

そこで今回は、企業で働きたいママナースへ、求人を選ぶ際にぜひ知っておいていただきたいポイントについてまとめました!

看護師の資格を生かせる企業の仕事とは?

看護師の資格を生かして働くことができる企業には、大きくわけて以下の3つがあげられます。

治験業界

国内外で開発された薬の承認を得るための臨床試験、それが「治験」です。

治験を行うためには、薬を開発した医薬品メーカーが臨床現場と提携する必要がありますが、この二つを結ぶ役割を果たしているのが、治験コーディネーターとなります。

看護師は元々薬や解剖生理についての知識があるだけでなく、医療現場での経験もあることから、治験コーディネーターとして治験業界においての活躍が期待されている職種となっています。

医療機器メーカー

医療現場では、様々な医療機器が利用されています。

これら医療機器を作っているのが医療機器メーカーであり、自社の医療機器を病院やクリニックなど、医療現場に売り込む営業として活躍している看護師も、たくさんいます。

看護師は医療現場での経験があることから、営業時にも相手へわかりやすく機器を伝えることができるため、重宝されています。

また、メーカーの中には外資系も多く参入しているため、ママナースの中でも特に英語が得意な方にはお勧めの求人といえます。

企業内医務室の看護師(産業看護師)

企業内にある医務室において、看護師として勤務するのが「産業看護師」です。

主な仕事は「企業内で働く職員たちの健康を守る」ことであり、健診処理や職員との面談の手配など、デスクワークが中心となっています。

産業看護師になるために必須の資格はありませんが、看護師の資格の他に保健師や衛生管理者、産業カウンセラーなどがあると、より就職に有利となります。

ママナースが企業で働くメリット

数ある職場の中でも、特にママナースにとって企業で働くメリットとして、以下があげられます。

カレンダー通りの勤務&夜勤がない

企業に看護師が就職するメリットとしてまず挙げられるのが、「カレンダー通りの勤務であり、夜勤もない」ということではないでしょうか。

ママナースの場合、働きたいと思った時にまず出てくる問題が「平日はまだ保育園や学童などがあるからいいものの、日祝日など、子どもの預け先がない場合はどうするか」ということです。

企業の多くは、土日祝日はもちろんのこと、年末年始および夏休み期間は大型連休となるため、家庭内でのスケジュールに合わせやすくなっています。

また、当然夜勤はないので、朝子どもと一緒に出勤し、夜には自宅へ帰ることができ、家庭と両立しやすいというメリットがあります。

医療現場と比べても給料に大差がない

看護師が医療機関以外に転職する際、ネックとなるのが「お給料の金額が下がる」という点です。

看護師が受け取る給料は、夜勤をすることで得られる夜勤手当によって大きく左右されます。

ママナースが働く上での条件として挙げやすい「日勤のみ、土日祝日休み」という条件だと、夜勤がない分、どうしてもお給料が下がってしまいがちとなります。

一方、企業に勤めている看護師さんの多くは、転職によって給料が下がった、という方はほとんどいらっしゃらないどころか、むしろ上がった、と答えている方が多くいます。

医療現場と比べても給料に大差がない、という点は、企業に勤める大きなメリットと言えます。

ママナースが企業で働くデメリット

カレンダー通りの勤務で、お給料も大差がないため、ママナースにぜひチェックしていただきたい「企業での看護師求人」。

しかし、メリットがある一方で当然、デメリットも存在しています。

企業の求人を探す際には、ぜひ以下のデメリットを把握した上で、慎重に選ぶことをお勧めします。

出張や残業、転勤などを依頼されることも

企業の中でも特に治験業界や医療機器メーカーへ転職した場合、全ての職場ではありませんが、営業先の医師が、約束の時間を超過して手術に入るなど、時間通りに仕事をすることが難しいことから、アポイントを取っていても残業となってしまう、というケースが比較的よく見られます。

また、日本各地への出張や転勤を依頼されてしまう可能性も、ゼロではありません。

よって、治験業界や医療機器メーカーへの転職を検討している場合には、残業や転勤、出張の有無を確認し、就職後慌てないようにあらかじめ準備しておくことを、お勧めします。

一通りのパソコンスキルは必須!

医療現場でパソコンを利用する際は、電子カルテへの入力や文章作成、看護研究発表のためのパワーポイント作成くらいですが、企業へ就職するにあたっては、パソコンを一通り使いこなせることが必須条件となっています。

「パソコンはほとんど触ったこともない」というママナースは、就職先を探す前にまずWordやExcelを一通り使いこなせるよう、スキルアップされることをお勧めします。

求人が少ない

看護師にとってメリットの多い企業での就職。

当然人気も高く、一度就職すれば長く働く方が多いため、他の看護師求人に比べ、求人数はかなり少なくなっています。

中には希望するエリアに企業での看護師求人が一件もない、ということも十分あり得るので、注意が必要です。

最後に

ママナースが企業で働く場合、家庭と両立させやすいというメリットがある一方で、今までと全く違う環境に就職することでのデメリットも多くあります。

就職後、「こんなはずじゃなかった」と思わないためにも、求人情報の一つ一つを細かく確認し、自分はもとより、家族も納得できる転職先を見つけることが大切だと考えます。