クリニック・個人病院への仕事復帰を目指す看護師の復職支援
職場体験型復職支援
先輩ナースとペアを組み実際に仕事をしながら仕事の感覚を取り戻すというもの。
クリニックや個人病院のような小規模施設は、働くスタッフの人数が総合病院などに比べると少なく、研修会やセミナーを開催するだけの時間と労力を確保するのが難しいため、仕事をしながら復職支援を行う職場が多くなっています。
- サポートや教育環境が不十分
- ブランクのあるナースが復帰しやすい環境とは言えない
- 研修やセミナーを受けるより、実践の方が感覚を取り戻しやすい
- 職場にも馴染みやすいので、一石二鳥
このように、ナースによって賛否両論の意見があるのは、その人の性格や理想とするワークスタイルが影響しています。
例えば、離職前に病棟で勤務し夜勤もバリバリこなしていたというナースには、復帰後もバリバリ働きたいと考えている人が多くいます。このような人にとっては、多少負荷が大きくても仕事に飛び込んで忘れていた感覚や知識・スキルを取り戻す方が向いている場合が多いです。
反対に、ブランクが長くて仕事に対して不安の方が大きいという場合には、あまり適していないでしょう。
職場体験型復職支援の内容
クリニックなどでは、1人の看護師が担当する業務の範囲が広い傾向にあり、採血や注射、バイタルチェックといった基本的な看護スキルだけでなく、職場によっては検査業務から受付・案内などを行うこともあり、機器操作や器具の洗浄・消毒方法、接遇などについても学ぶ必要があります。
採血や注射、点滴などに携わることが多いのか、検査に携わることが多いのかは、職場の診療科や方針によっても変わってきます。
このように、クリニックや個人病院の場合は、仕事をしながらその職場で必要となる知識やスキルを身に付け感覚を取り戻す必要があるので、自ら積極的に学ぶ姿勢や努力が重要となります。
このようなスタイルが合う人・合わない人がはっきりしやすく、復職支援制度を利用して仕事復帰をする場合にはその内容をきちんと確認して、自分に合うかどうかをきちんと判断することが重要となります。
その他の復職支援制度
復職支援セミナー・復職支援研修会
各都道府県のナースセンターや総合病院などで実施される、仕事復帰を希望する人であれば誰でも参加可能な研修会やセミナーなど。
「いきなり仕事をしながら感覚を取り戻すのは自信が無い」と不安に感じる人には、総合病院やナースセンターなどで行われるセミナーなどに参加してから、再就職活動を始める人も多くいます。
看護師不足に対する国内の動き
看護師の求人は全国的に見ても非常に多く、総合病院や診療所のような医療機関はもちろん、最近では介護施設や保育園といった福祉分野からの需要も高まってきています。
このように、ナースの働く職場や需要は高まってきているのにも関わらず、日本では看護師不足は深刻化してきています。日本では以前から医療スタッフが不足している状況が続いていますが、特にナース不足が深刻です。
新卒ナースの1年以内の離職率は非常に高く、就職後1年以内に離職しなくても結婚や出産、親の介護などを理由に離職したままの人が多くいます。
このように離職して仕事に復帰しない人が多いのは、ナースの仕事が人の命に関わるものであり緊張や責任を伴うものであること、体力的・精神的な負担も大きいこと、医療の進歩が著しいことなどが理由にあります。
ナース不足を解消するためには離職中のナースが仕事に復帰することが重要であるため、近年では様々な復職支援を実施したり仕事復帰しやすい環境を整えたりする動きが高まっています。
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