体外受精コーディネーターとは

どんな資格?

子どもが欲しいもののなかなか妊娠することができないという人たちは家族や職場、社会からさまざまなかたちでプレッシャーを受けていて、それは「圧迫」ともいうことができる度合いの影響となっています。

不妊治療は複雑なものであってわかりにくいため、医師による説明が不十分であるという場合も少なくありません。このような環境において不安感や閉塞感、孤独感を感じながら生活している人たちに対し、体外受精コーディネーターは体外受精に関して技術的にかかわる事項を含めて支援しています。

卵子や精子、受精卵を直接扱う治療法について治療方法のアレンジ、それぞれに固有な問題の解決、不妊治療に関して関係先との調整も行います。

認定先

認定先は、特定非営利活動法人日本不妊カウンセリング学会です。

資格保有者数

認定者数については2012年8月現在、全国で415名となっています。

難易度・合格率

合格率は公表されていませんが、筆記試験と面接試験があります。認定者数が全国で400名強ということからも決して簡単ではなく、合格率も高いものではないと考えられます。

体外受精コーディネーターの資格を活かせる職場

不妊治療を行う総合病院やレディースクリニックをはじめとして薬局や産婦人科医院、鍼灸院となっています。かなり専門的な資格であるために活躍することのできる分野は狭く、職場となる施設や機関も限定されています。

ただし看護師や准看護師、助産婦といった資格を持っている上で、体外受精コーディネーターの資格をさらに取得するという人も少なくなく、いくつかの資格を併用する活動が主体となっています。

体外受精コーディネーターの将来性

晩婚化が進んでいる現在、以後に向けて体外受精などを行う人は年々増加しています。一方で体外受精コーディネーターは全国でも400人程度しかいないことから、今後ニーズは高まり、将来性は高いということができるでしょう。

体外受精コーディネーターのお給料事情

活躍することのできる職場は医療関係である施設や病院、薬局となっていて、総合病院規模から個人経営まで多岐にわたるため、年収などにも幅があります。平均すると年収で300万円~500万円程度が相場となっています。

また、看護師や准看護師、薬剤師、助産婦などの資格や職と併せて体外受精コーディネーターの資格を持っている場合は、さらに高い年収となります。どちらかといえば、看護師などをしている人がスキルアップ、年収アップのために資格を取得するというケースが多くなっています。

体外受精コーディネーターになるには《資格取得方法》

受験資格

基礎的スキルとして、生殖医療に関する基礎的知識やevidenceにもとづく不妊治療の基礎知識を持っていること、不妊患者の心理や社会的問題について理解していることが求められます。

また、自立的な決定をうながすことのできる能力、患者さんを中心にした考え方を理解して応用することができること、情報の適切な伝え方を知っていて応用することができることも必要です。

さらには、ARTのステップや問題点、成績などについて理解していて、患者さんとさまざまな医療職種との間をコーディネートする能力も必要とされます。その上で、

  • 受験資格を得てから3年以内であること
  • 体外受精コーディネーター養成講座を3回以上受講していること
  • NPO法人日本不妊カウンセリング学会会員であって年会費の未納もないこと

以上が、受験資格となります。また、ARTを実施している施設で1年以上の勤務経験があるか、ARTを実施している施設で1年以上研修を受けた人が有資格者となります。

審査方法・試験内容

試験では、1時間の筆記試験と面接試験が行われます。また、受験申請をする際には書類審査レポートとして、体外受精コーディネーターとして今後どのように活動するかについて具体的に、特に力を入れたいところを強調記述したものも提出しなければなりません。

受験日程

試験は1月から3月頃となっています。2014年度は、2013年12月15日から2014年3月2日の間で4会場において合計4回が開催される予定となっています。

費用・会場

会場は大阪、福岡、仙台、東京で開催されます。認定費用は15,000円です。

問い合わせ先

NPO法人日本不妊カウンセリング学会 事務局 メディカルブレインサービス
toiawase@jsinfc.com 03-3533-6532