身に付くスキル
小さな命も尊い命としてケアできる強い精神力
NICUでは、新生児の集中ケアを専門としているため、新生児の命を救うという喜びと共に、生まれたばかりの命が失われる現場にも立ち会わなければなりません。成人した患者さんの死は、人生を共にした家族がいる分辛く感じられるものですが、新生児の命はこれからの未来があったはずの分、別方向の重さを感じます。
そのため、一般病棟やICUに勤務するのとは違ったを辛さを感じてしまい、辞めていく人は珍しくありません。NICUに残るのは、生命の重さに耐えられる強い心を持ち、「新生児の命を救いたい」と願える責任感のある人材です。
しかし、それは最初から身につくものではなく、勤務を続けるうちに自然と身についていくスキルです。
同時進行で仕事をこなせる能力
NICUでは、新生児への対応と共に機器の管理、両親への心身的なサポートが仕事です。どれかひとつに絞って対応出来れば楽ですが、全てのケアがNICUで働く上では重要な役割であるため、同時に複数の仕事をこなせる器用さと視野の広さが求められます。
医療機器の管理を行うことで新生児の集中ケアが可能となり、両親のケアを行うことでNICUを出た後の新生児の継続看護を行う上での関係が円滑に進みます。
NICUに入る新生児たちは、医療機器によって生命を繋いでいることが多いため、栄養や酸素を適切に投与し生命を保つたために状態をチェックすることは、新生児の命を手に取って確認するのと同じことです。どれかひとつ欠けても万全なケアとは言えず、すべて同時にこなせる幅広い視野を身につけていく必要があります。
新生児の状態は常に変動し続けるため、赤ちゃんの体調、動き方、表情全てから情報を受け取り、容体が急変する前に情報をチェックする癖をつけ、そのための体制を作っておくことも重要です。こうした小まめな癖をつけるスキルも必要となってきます。
関連資格(スキルアップ資格)
助産師資格
NICUでは、看護師以外にも助産師が共に働いており、助産師の存在に影響を受けて助産師の資格を取得しようと考える人が多いです。助産師とは、女性のみが取得できる資格で、以前は産婆・助産婦と呼ばれ妊娠や出産などに関わり、助産行為を行うために必要な資格です。
助産師資格は、取得者数が少ないために助産の現場に配属させることが多く、NICUで絶対に必要な資格ではありませんが、NICUで働くために助産師の資格を持っているに越したことはありません。ただし、NICUの勤務は激務であるため、必ずしもNICU勤務期間中に取得する必要はありません。
受験資格 | 看護師免許取得 指定された学校で6か月以上助産の学科を修める、もしくは助産師養成所を卒業 |
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試験 | 年に1度、2月 |
試験会場 | 北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県 |
試験科目 | 基礎助産学、助産診断・技術学、地域母子保健及び助産管理 |
受験手数料 | 5,400円分の収入印紙 |
合格発表 | 3月 |
新生児集中ケア認定看護師
NICUは、新生児や未熟児、低体重児など何らかの問題を抱え高度な治療が必要な新生児を専門に治療を行います。そのため、働くうちに新生児専門の看護に興味を持ち、専門資格を取得したいと考えるナースも出てきます。
具体的には、NICUなどの新生児集中ケアを専門とする部署で、赤ちゃんや両親・家族のケアを行うための専門的な資格のことです。日本看護協会によって認定される資格のことで、5年以上実務経験を積み、そのうち3年以上は新生児集中ケアの部署での看護経験が必要とされます。NICUはまさに打ってつけの実務経験場所であり、教育機関での過程を経て認定審査に合格すれば晴れて資格を取得できます。
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