大学保健室で働く看護師のメリット
大学には、学生・教職員の健康管理や定期健康診断、日常生活の中で怪我をしたり急病になったりした際に診察を行うことができるよう、医師や看護師、保健師などが常駐する部署があります。学校によって、保健師や医務室、診療室、健康管理センターなどと呼ばれています。
ここでナースとして働く場合、主に3つのメリットがあります。
勤務時間が安定
一般的に、看護師というとシフト制で生活が不規則というイメージがありますが、大学の保健室や医務室などで勤務する場合は日勤のみであることがほとんどです。
勤務時間は基本的に学校で授業が行われている時間帯で日勤のみの仕事なので、生活リズムが安定するため子育てをしながらでも働きやすく、体力的・精神的な負担も少ない傾向にあります。
また、残業が少ないので帰りが遅くなることが少ないというのもメリットの1つです。
休暇を取得しやすい
保健室や医務室の開室スケジュールは学校カレンダーに従うので、そこで働く看護師も春休みや夏休み、年末年始休みなどには仕事が休みとなるケースがほとんどです。
また、土曜日・日曜日・祝日が休みとなっていたり、土曜日は午前中のみの勤務であったりする学校も多いので、病院などで勤務するよりも休暇日数が充実しており、しっかり休暇を取得することができます。
仕事内容が安定
大学の保健室や医務室での主な業務は、定期健康診断やその結果をもとにした健康管理・健康指導、怪我や体調不良の生徒・教職員の診察・応急処置などを行うことです。
病院のように高度な看護スキルを求められたり、生死に関わる病気の患者さんの担当になったりすることがないため、ナースの働く職場としては精神的な負担やストレスが非常に少ない環境です。
病院などで勤務しているナースの中には、精神的な負担やストレスで仕事を苦痛に感じている人もいるので、このような負担が少ないというのは大きなメリットです。
大学保健室で働く看護師のデメリット
大学の保健室や医務室などで看護師として働く際のデメリットも主に3つあります。
求人件数が少ない
一般的に医務室などに配属されるスタッフは数名程度で、ナースや保健師に限れば1つの学校で1人から2人というケースも少なくありません。このように元々配置できる人数に限りがあることに加え、労働環境が良いので離職率が低いということも重なって募集が行われる機会が少なくなっています。
また、メリットが多い職場なので人気が高く、求人が出ると倍率が高くなってしまう傾向です。
ナースとしての臨床経験が必要
基本的に少人数で業務をこなしているため、病院やクリニックなどでの臨床経験がある人の方が即戦力となるためです。
生徒数の多い学校や複数のキャンパスを持つような学校では、臨床経験の有無を問わない求人も見られますが、このような求人は全国的に見ても非常に少なく、経験者のほうが採用面で有利になりやすいのが現状です。
看護師としてスキルアップは難しい
病院で働くナースの場合は、最新の医療技術や看護スキルに触れる機会が多く、そのスキルが必要となる機会も多くあります。そのため、新しい技術や知識が身につくスピードも速く、このような環境で技術や知識を身に付けることがスキルアップに繋がります。
一方、大学の保健室や医務室などでは、業務内容が安定しているため業務で新しいスキルを必要とする機会が少なく、ナースとしてスキルアップを目指すのは難しい状況にあります。
また、医療機関に比べると事務作業も多い職場なので、看護師スキルを磨きたいという人にとっては適した職場ではありません。