心不全とは、心臓のポンプ機能の低下により起こる様々な症状のことです。
大切なポンプ
全身に血液を絶え間なく送り続けることが心臓の大切な機能ですが、以下の要因によりそれがうまくいかなくなることがあります。
※心拍出量…ポンプ機能により送り出す血液の量。一回拍出量は60ー130mlが正常。
- 心筋の拡張
- 心筋の動作不良
- 心臓の弁の機能不全(弁膜症)
びろんびろんに伸びきった風船を膨らませても空気は勢い良く出てきませんね。それと同様に、心筋が緩んだ状態では正常な心拍出量は保てません。
心臓は本来、ポンプ機能を果たすために全ての心筋がバランス良く動くようにできています。
けれど、心筋梗塞や狭心症の既往歴など、心筋にダメージがある場合はその部位の心筋の動きが悪くなるため、効果的に血液を送り出す動きができなくなります。
ポンプが正常に機能するためには、左心室内に十分な血液があり、拍出直前にはしっかり部屋が閉じていないといけません。
心臓内の弁が開きっ放し(閉鎖不全)になったり、狭くなったり(狭窄症)すると、しっかりした拍出は得られません。
心不全の症状
- 動悸
- 冷汗
- うっ血
一回拍出量が足りなくなると、それを補うために心拍数が多くなります。
一見、拍出量は保たれますが、心臓は常に無理をしている状態です。動くとすぐ疲れたり、息切れがしたりと生活に支障が出ます。
心臓が無理をすることで交感神経が活発になり、発汗が起こります。ただし、循環状態が悪いので体温が上がらず、心不全に特徴的な「しっとりとした全身の冷たい汗」になります。
心臓がきちんと血液を送り出さないことで、血液の渋滞が起こります。身体のうっ血は主に下肢の浮腫、肺のうっ血により呼吸困難が起こります。ぜえぜえとした呼吸となり、寝た状態よりは少し体を起こすことにより呼吸が楽になります。
寝たきりの患者様では、角度をつけた体位交換を頻繁に行うことで呼吸状態の改善が少し見込めます。
心不全では少しの体調不良や水分の摂取により、症状が急激に憎悪することがあります。
日常生活の注意とともに、症状が軽いうちに適切な治療を受けることが大切です。
早めの行動が◎
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