母性健康管理指導事項連絡カードとは
概要
男女雇用均等法が根拠となり、仕事を持っている妊婦さんが主治医による指導内容を事業主である職場へ伝える上で役立てることのできるカードです。
どこにある?
■取りに行く
各都道府県で設置されている労働局雇用均等室へ取りに行くことができ、最寄りにない場合には各市町村の母子保健担当課窓口や産婦人科のある病院など、妊婦さんの行く機会がある場所で大抵は置いてあります。
■わざわざ取りに行かなくても…
母子手帳を受け取る際に一緒でも良いですし、健診のときにも受け取ることが可能です。勤務先が産婦人科のある総合病院などであれば、特別に苦労することもありません。
法的な根拠
- 男女雇用機会均等法
- 労働基準法
事業主が負うべき義務として、女性労働者の妊娠や出産に伴う必要な時間を確保することとしています。また、カードを提出された場合は、記載されている内容に沿って必要な措置をとるよう定めています。
女性労働者の母性を保護するべく、産前産後休業や簡易な業務への転換、危険有害業務への就業制限などが定められています。そのほかにも変形労働時間制の適用制限、育児時間などを規定しています。
記載される内容
- 基本的な事項
- 指導事項など
事業主宛てとして発行年月日や発行元の医療機関名、医師名が最初に記載されます。その後に妊婦さんの氏名や妊娠週数、分娩予定日などが記されます。
■記載の方式
具体的には必要事項に○をつける形式です。つわりや妊娠高血圧症候群のほか切迫流産、切迫早産など妊娠に伴う危険を減らし、安全な出産へ臨むことができるようにします。
■標準処置について
勤務時間の短縮や入院加療、自宅療養といった休業に加えて、負担が大きい作業を制限することなどが挙げられます。看護師は夜勤や立ち仕事も多いため業務制限として日勤専従にすることや日勤でも働きやすい時間帯に制限すること、つわりなどに影響する業務を変更することなどが可能です。
母性健康管理指導事項連絡カードの使い方
情報の行き違いを防ぐ
妊娠や出産に伴う処置のことで、細かな事情が正確に伝わりにくいといった場合に役立ちます。妊産婦の状況について、職場でもしっかり把握することが可能です。
不安定な身体状態から守る
妊娠の経過とともに体調は変化していき、つわりが過ぎて安定期になれば落ち着くものの、絶対に安全であるというわけではありません。妊娠が進んでいくとお腹も大きくなり体重が増えるなど妊婦さんとしての変化があらわれ、立ち仕事の多い中で負担が増えて足腰を痛めてしまうというケースもあります。
記載方式について
つわり自体の期間にも個人差はありますから、カードの記入欄には措置が必要な期間を当面の予定期間として記載するようになっています。1週間に加えて2週間や4週間、その他から○がつけられます。
カードを活用する
- カードの効力
- 専門的な所見がある
- 職場環境への影響
妊娠中や出産後に健診などを受けて主治医から仕事の軽減、通勤手段などの変更といった指導がなされた場合には、その内容についてカードへ記入されます。その内容を職場へ提示することで、職場において法的な根拠にもとづいてその通りの措置を講じる義務が生じるのです。
妊娠中にかかりやすい病気として静脈瘤のほか痔や腰痛症、膀胱炎などといったように長時間の立ち仕事が影響しやすいものはあらかじめカードに記載されています。この欄に指導項目として○がつけられていると立ち仕事を減らしてもらうことができ、こうした欄があることで仕事を負担に思ったときにも休みやすいようになっているのです。
カードを提出することによって、身体が辛く休みたいという時にもスムーズに休むことができます。職場への説明にあたっても間違いがなくなり、現在の事情について明確に把握されることとなります。
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