リハビリテーション科看護師の仕事内容

リハビリテーション科は、患者さんの身体機能を回復させることが最重要の意義となります。看護師はスタッフとして、心身の両面から支援へあたることとなります。

患者さんは仕事や生活上の事故、あるいは予期せぬ疾患といったことから後遺症などの障害を負っています。その一人一人の状況について把握して受け止めた上で、治療やリハビリへ専念することのできる環境を整えなければなりません。

治療や検査の介助については、原則として一般病棟と変わらないものになっています。ただ患者さんには障害があるわけですから介助のほか、危険の予知や回避といったことも考える必要があります。

回復へのサポート

機能を回復させ日常生活に必要な動作まで取り戻すための支援はもっとも重要な仕事であり、障害のために悪化してしまったQOLやADLはリハビリを通じて少しずつ回復していきます。

もしそれが完全でないとしても専門スタッフによる助言や指導にもとづいて自助具、福祉用具などを活用することで元の生活レベルと近い状態までにはすることが可能です。

コミュニケーションを通じた働きかけ

リハビリは辛いものです。患者さんのやる気に対しても、はたらきかけるようかかわらなければなりません。

しっかり話を聞き、理解する姿勢が大切です。

一般的な看護ケア

一般病棟と同じく、バイタルについての確認、服薬や検査などの介助を行います。それに加え、医師からの指示にもとづく処置の実施も行うこととなります。

また、患者さんの全身状態を管理し、健康に関する指導や教育にもあたります。

後遺症や障害などのために認知力が低下している場合や自己管理をすることができない患者さんもいますから、そのようなときには代わりに管理を担うほか在宅でも同様の療養が可能となるよう家族や関係者への指導も行います。

さらに、後遺症や障害でADL、QOLが低下している患者さんに対しては清潔を保つために全身清拭や入浴介助なども行います。排泄に関してもトイレの介助やおむつ交換など、さらに栄養管理や食事介助などにあたります。

リハビリテーション科の看護師に求められるスキル

やはり病気やケガなどによって身体が思うようにならない状態となれば、気持ちは落ち込みます。患者さんはショックを受け止めることができず、パニックになってしまうというケースもあります。

そんな時、患者さんに近しい医療スタッフとしてこころを支えることはきわめて重要な役割となります。何でも話してもらって気持ちを共有することで楽になるところもありますから、話しやすい空気感をつくりだすことも大切です。

また、リハビリでは目覚ましい回復を早期に感じられない場合も少なからずありますが、ずっと何も変わっていないというわけではありませんからわずかであっても良くなっている部分はしっかり伝えます。

回復を容認することのできる状況が生まれることでリハビリテーションへの活力にもなりますから、その間は失われた機能を補う存在になって元の生活と近い状況をつくるよう配慮します。

患者さんへの指導力

元の生活へ戻りたいと望んでいても症状などによって、失われた機能が完全には戻りにくい場合はあります。そこで自助具などの使用方法を教え、生活に支障がないよう指導することも必要です。

患者さんは早く回復しようとして、リハビリにがんばりすぎることもあります。最善の効果が得られるよう時には休むこともうながして、無理がないよう健康状態を管理する能力が求められます。

他スタッフ間での協調性

医師などのスタッフもかかわる中で、職種間の連絡調整にもあたります。また退院する場合や転院するにあたって、転所先との調整役としてかかわる場合もあります。