ニュースなどで、日本の医療機関がフィリピン人の看護師を受け入れているという報道がされたことがあります。

実は日本とフィリピンで、経済連携の協定が結ばれています。そこで貿易などの物的交流だけでなく、人的交流も進めていこうという試みが行われています。

そして、フィリピンから日本に看護師がやってくるのとは逆に、日本人の看護師がフィリピンの留学をして現地の医療を勉強するケースも増えてきています。

フィリピンの看護教育ですが、アメリカの教育システムをベースにしていると言われています。このため、フィリピンの看護教育は日本と比較しても決して引けを取っていません。事実東南アジアの中でも、屈指の医療先進国とされています。アジアの国々を中心として、高い水準の医療技術を学ぶためにフィリピンに看護留学している人も多いです。

フィリピンでは英語が公用語になっています。実はフィリピンの英語はスタンダードな言語だと言われています。日本ではオンライン英会話スクールもいろいろと開講していますが、その講師でフィリピン人の方も多いことでもいかにきれいな発音をするかがお分かりいただけるでしょう。

このため、フィリピンの看護留学するのであれば、語学学校などに通って英語の勉強をするのもおすすめです。きれいな英語をマスターできるため、フィリピンはもちろんのこと今後海外で看護師として勤務することになった場合、コミュニケーションの面で苦労することも少ないです。

フィリピンには診療科目がない?

日本の総合病院に訪れたときに、受付などで「内科はどこですか?」とか「産婦人科に行きたいのですが」と尋ねるのはごくごく日常的にみられる光景でしょう。

しかしフィリピンでこのような質問を現地の医療スタッフにすると、おそらく要領を得ないといったリアクションをされます。

フィリピンでは日本のように、診療科目ごとの縦割りで医療を行っていません。外来患者が病院にやってきたら、どのような症状であっても同じ所で受診します。

つまりフィリピンに看護留学をすると、診療科目とか専門領域関係なく、ありとあらゆる患者に対応する必要があるのです。

おそらく日本でずっと看護業務をしてきた人にとっては、かなり新鮮な光景になるでしょう。若い頃の看護学校における実習に似たような感じと言えば、わかりやすいでしょうか?

つまりありとあらゆる事例の看護業務ができてしまうので、より実践的なスキルを獲得できるでしょう。最初のうちはありとあらゆる患者がやってくるのでさばくのに一苦労するかもしれませんが、その経験はどこで今後看護業務をするにしても貴重な財産になるはずです。

救急医療のスキルアップ・キャリアアップを希望する人向け

フィリピンの看護留学は、救急医療についてもっと勉強したい、スキルを習得したいと思っている看護師にはオススメです。フィリピンは確かに医療水準は日本と比較して何ら引けを取らないのですが、保険制度がまだ整備されていません。

このため、保障がなかなか受けられず、病院に行くとなると一般庶民にとっては医療費の負担がかなり大きくなってしまいます。そこで一般の人を中心として、多少の病気であれば病院に行かないというケースが多いのです。お金がもったいないからです。民間療法に頼るとか、中にはまじない師のようなところに行って治療(?)してもらうという話も珍しくはありません。

こういった背景もあり、病院に患者が担ぎ込まれるときには症状がかなり進行していて重症化しているケースが多いです。中には一刻の猶予も許されないような深刻な症状の患者もやってきます。

このような深刻な患者が多くやってくるので、救急医療のスペシャリストになりたいと思っている看護師はフィリピンに留学するのも一つの手なわけです。

もし救急医療に挑戦するのであれば、高い語学スキルが必要になります。しっかり英語を勉強して、現地の医療スタッフとそつなくコミュニケーションが取れる状態にしておきましょう。