海外留学の方法は2通りある

看護師が海外留学する場合、大きく2つの手法があります。1つ目の方法は、いったん日本の仕事を休んで短期で留学をする方法です。そしてもう一つの方法は、現在の勤務先を退職して看護留学する方法です。

たとえば現地の看護師資格を取得して、本格的に勤務しようとなれば、何年単位の留学になるでしょう。そうなるとなかなか休職して留学は難しいかもしれません。いったん退職して看護留学をすることを検討しなければならないでしょう。

休職に関しても、病院の規定によって対応は異なります。福利厚生の状況は病院によって違っていて、留学のための長期休職を認めているところもあります。中には研修の一環として認めてくれて、むしろ助成金などを支給して海外留学を奨励しているようなところもあります。

ですから一度就業規則などのルールを確認してみましょう。看護師は慢性的に人材不足なので、いったん辞めても再就職できる道はあるという人もいます。

しかし辞めなくて留学できるのであれば、その方が良いに決まっています。安易に退職するのではなく、辞めずに留学する手立てが残されているかどうか確認しましょう。

病院の規則で海外留学が認められていても…

就業規則などをチェックしてみると、海外留学をしている間休職扱いにできるとなっていた、これなら退職することなく晴れて留学できると思う人もいるでしょう。しかしそう簡単に事の運ばない病院のあることもあらかじめ理解しておいた方が良いです。

実は規則上休職できることになっていても、実際には行使できないという医療機関も結構あります。これは上司に相談するときにわかるはずです。

上司に「看護留学をしたいから休職制度を利用したい」といった時に、良い顔をしてくれないことがあります。もし歓迎ムードではない場合、休職の権利を行使するのは難しいでしょう。

病院の中には、ギリギリの人員で回しているところもたくさんあります。そのような病院で看護留学のための一人穴ができると、他の人の仕事量がどうしても増えます。また休職していずれ戻ってくるとなると、安易に新しい人員を募集するのも難しいです。

そのような事情もあって、難色色濃いようなリアクションをしてくるケースも多いです。もし明らかに歓迎されていない雰囲気を見てとった場合、退職した方が良いでしょう。

もちろん休職が認められているのであれば、我を通して押し切るという方法もあるにはあります。しかし注意しなければならないのは、いずれその職場に戻ってくる点です。留学で出ていくときに揉めたら、職場復帰しても肩身の狭い思いをするでしょう。

そのようなことを考えると、退職に踏み切る判断をしなければならない事態も十分想定できます。

海外留学終了後に再就職をする際の注意点

看護留学をして、現地の看護師資格を取得して、海外で活躍するという方法ももちろんあります。しかし一方である程度滞在をしたら、帰国してその経験を生かしていきたいと思っている人もいるでしょう。後者の場合、留学するときに退職していれば、再就職先を見つける必要があります。

看護師の需要は高い状態で推移していて、少子高齢化が進む中、この需要が減ることは考えにくいです。となると再就職先は見つけやすいでしょうが、病院によっては留学をしている期間をブランクと解釈するところもあります。留学は年単位になるでしょうから、数年のブランクがあると評価されると他にも応募者がいた場合、不利になりかねません。

そこで面接や履歴書・職務経歴書の中で、いかに留学で貴重な経験を積んだか、経験をどう日本の看護活動で生かすべきかをアピールする必要があります。アピールの仕方がわからないというのであれば、看護師転職エージェントを利用しましょう。キャリアコンサルタントがいろいろと専門家の観点から、アピールの仕方などをアドバイスしてくれます。