訪問看護は、医療機関と比べて基本的に日勤のみであり、日曜はお休みとなることから、ママナースの復職先として選択肢に上がりやすい職場です。

では、実際にママナースが訪問看護で働く場合、どういった点を事前にチェックすればよいのでしょうか?

今回は、訪問看護で働きたいママナースの求人選びのポイントについて、ご紹介します!

訪問看護でママナースが働くメリット

訪問看護は、ママナースにとってどんなメリットがあるのでしょうか?

子育て中のママナースだからこそのメリットを紹介します。

カレンダー通りの勤務

訪問看護は基本的にカレンダー通りの勤務であり、土日祝日は休みとしているところが多くなっています。

看護師の職場の多くは、24時間365日のシフト制勤務となっている中、カレンダー通りの勤務ができるというのは、保育園や幼稚園、学校の休みと仕事の休みが合いやすい、という点でママナースにとって大きなメリットとなります。

残業が少ない

訪問看護の場合、残業は全くない、とは言い切れませんが、多くの事業所では定時か、それに近い時間で仕事を終えることができます。

訪問看護は訪問件数および訪問できる時間が予め決まっているため、医療機関のように急患や急変といった、突然仕事が追加となることが少なく、定時をすぎないようにスケジューリングしやすい職場となっています。

よって、お迎え時間が決まっているママナースや、子どもの下校時間に合わせて仕事を終わらせたいと考えているママナースにとって、働きやすい職場といえます。

子育てに理解がある職場が多い

訪問看護は、先に挙げた二つのメリットから、看護師の職場の中でも特に子育て中のママナースの割合が高い職場となっています。

よって多くの訪問看護ステーションでは、子育て中のママナースを積極的に採用するとともに、ママナースそれぞれの事情に合わせて仕事量を調整するなどの配慮をしています。

職場の中には「子育て中の方はちょっと…」というところもある中、訪問看護ステーションの多くは「子育て中の方も歓迎」としていることから、ママナースが仕事を探しやすいというメリットがあります。

訪問看護と子育ての両立が難しい部分

メリットだけを見ていると、訪問看護は子育てと両立させるには最適の職場といえます。

では、訪問看護と子育てを両立させる上で難しい部分とは、どういったことがあげられるのでしょうか?

夜間オンコールがある

全てのステーションではありませんが、職場によって夜間はオンコール対応としているところがあります。

子育て中の人は免除としているところもあれば、職員は全員当番制で対応しなくてはいけないとしているところもあるため、仮に職員全員が夜間オンコール対応を当番制でしなくてはならない場合は、子育てとの両立は、ない場合に比べ難しくなります。

特に終末期の利用者さんが多い事業所の場合は、夜間急変の連絡を受け、往診医とともに診察補助を行うこともあります。

非常勤でも様々な仕事を依頼される事業所がある

訪問看護では、常勤以外にも非常勤としてママナースが多数活躍しています。

訪問看護を候補に挙げている方の中にも、非常勤として検討している方がいらっしゃるかと思いますが、訪問看護の場合は、非常勤を希望する方が多い故に、非常勤であっても利用者さんの受け持ちや勉強会の参加などを要求するステーションがあります。

訪問看護というジャンルだけで非常勤としての職場を選んでしまうと、「せっかく非常勤として訪問看護を選んだのにとても忙しく、非常勤としてのメリットがほとんどないが故に子育てと両立できない」となりかねないので、注意が必要です。

医療施設のような福利厚生がない

訪問看護は、医療法人の他に営利法人も運営団体となりえます。

よって、運営している団体によっては医療施設に比べ福利厚生が充実していない、というデメリットがあります。

特に現在看護師として働いておらず、これから訪問看護師としての復職を検討している場合、求職中だと認可保育園や学童保育の利用はかなり難しいといわざるを得ません。

こういった時、医療施設の多くは院内保育所を併設しているため、一時的にそちらでお世話になることも可能ですが、訪問看護ではそこまでの福利厚生は用意されていないことがほとんどであるため、働きたいけれど働けない、という状態に陥りやすくなっています。

この点は、ママナースにとってデメリットとなります。

求人を選ぶ際のポイント

訪問看護は、子育てと両立しやすい職場である反面、慎重に選ばないとせっかく両立のために選んだ訪問看護なのに、デメリットばかり負うことになりかねません。

そこで、訪問看護の求人を見る上でのポイントをご紹介します。

夜間オンコールの有無

子育てと両立させる上で、第一にチェックしたいのが「夜間オンコールの有無」です。

仮に子育て中の人は免除となっていても、子どもが大きくなることで「もうそろそろお願いしてもいい?」となることもあります。

よって、日勤のみでずっと働き続けたいと考えている場合には、「オンコールがない訪問看護事業所」を選ぶことをお勧めします。

所長が現場仕事をしているか

訪問看護は看護師の職場の中でも特に非常勤の割合が高い職場となっています。

どんなに人間関係がよさそうに見える事業所でも、常勤の割合が極端に少ない事業所では、その分常勤の方の負担が大きい、ということが考えられます。

常勤の方の負担を考えた上で事業所を選ぶ場合、ぜひチェックしたいのが「所長が現場に出ているかどうか」です。

所長は本来、事業所において職員の管理を行うべき立場の人です。

所長自ら現場で仕事をしながら平行してそれらの仕事を行っている場合は、それほど常勤看護師の人数が少なく、忙しい職場であると考えられます。

よって、そういった職場へ常勤として働くことを考えている場合は、就職後かなり忙しいことを覚悟する必要がります。

事業所を選ぶ際には、ぜひ、常勤と非常勤の割合、および所長自ら働いているかどうかを、ぜひチェックしてみてください。

どの分野に特化した訪問看護なのか

訪問看護とひとくくりに行っても、ステーションによって受け入れている利用者は様々です。

訪問看護師としての就職先を検討するにあたっては、事前に「どういった利用者を多く受け入れているか」を確認することをお勧めします。

ステーションの中には、未経験な看護師も多い精神疾患を抱えた方を多く受け入れているところや、自宅療養を続けている小児を対象としているところもあります。

特に未経験の分野の利用者を多く受け入れているステーションに就職すると、活動中戸惑うことが多く、子育てに理解があるとは言え、仕事を続けることが難しくなってしまうこともあり得ます。

よって、子育てに対しての理解の他に、どの分野に特化したステーションなのか、という点もしっかり確認しましょう。

最後に

高齢化に伴う医療費の増加を防ぐため、国は在宅療養を進めており、訪問看護師としての活躍の場は今後も増えていくことが予想されています。

今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしていただき、長く働ける訪問看護ステーションの求人を、探してみてくださいね。