医療機関に勤務していて困ることの一つとして、患者さんとのコミュニケーションや対話があります。単に、話の疎通が出来ないのであれば、説明を行い、理解できるよう関わることが看護師の努めです。

しかし、医療現場を悩ますモンスターペイシェントの存在を知っていますか?医師や看護師に対する患者さんや患者さんのご家族の「暴力」「暴言」です。

調査によると、アンケートをとった内、患者さんやそのご家族から暴力や暴言を受けたと言う医療職者は、60%を超えるようです。

疾患や症状により仕方が無いと諦められる行動や言動もありますが、許せない悪質なケースが医療現場の悩みの為となっています。

では、医療界を揺るがすモンスターペイシェントとどのように接し、対処すれば良いかを学び備えておきましょう。

モンスターペイシェントの言動

・医療職者の小さな落ち度を取り上げ、不当な要求を行う
・患者として自分が望む医療行為がうけられないとの不満を一方的にぶつける

単なるクレームや訴えにとどまらず、ひどいケースでは土下座、金銭要求等があるトラブルもあります。

モンスターペイシェントに対応する医療機関の取り組み

医師法では、医療を求める患者さんについては診察や治療を拒めないと言う取り決めがあります。

よって、どの人にも平等に医療を尽くすよう、患者さんとのトラブルへの対策やリスクへの対応に関して事前に備えておかなければなりません。

安全管理体制を強化し、医療安全対策室などを摂理する事で対応している医療機関が多くあります。そこでは、医療訴訟となった場合の取り組みまでも対応しています。

損害補償

もし、医療機関側にミスや失敗があり、損害補償しなければならなくなった時は、裁判、訴訟による判断を受けることとなります。

被害を訴える患者さんの損害の範囲に限定される為、金銭的な要求、執拗なクレームは賠償の反中を越えると判断されます。

医療機関側に適切な対応がなされ、なおかつ執拗な取引を求められた場合は、恐喝罪などで立件できる場合があります。

執拗な取引があった場合、録音したり、記録を残して証拠を残しておくことが必要です。

また、暴行や暴力による被害や損傷を来たした場合は、写真を撮影したり被害を受けた物品を保管しておきましょう。

対応にあたる時の心構え

対応に関しては、毅然とした態度で取り組むことが大切です。ひるむ姿勢には、強く出てこられる事もある為、冷静に沈着に対応しましょう。

そして、話を聞く時はカウンセリング手法を持って受容と共感を心掛けましょう。

相手の気持ちを逆なでするような言動は避け、怒っている気持ちが落ち着くような安定した態度で話を聞きましょう。

このような態度で張り合いが無いと、声を荒げられるケースもありますが、その場合も冷静さを維持して対応が望まれます。

看護師のモンスターペイシェント被害

女性看護師は、時に性的対象としてモンスターペイシェントの被害に合う事があります。

性的要求やセクハラ発言に悩まされる看護師もいます。

そのような場合は、早期に上司に相談して対処しましょう。

そして、一人で行う看護ケアも、そのような事態に陥るかもしれない患者さんには、同行を付け、男性看護師が対応する等の対策も必要です。

恥ずかしいと訴えることを躊躇してしまうデリケートな問題ですが、次の被害者をまない為にも大切な報告です。

まとめ

自己主張の強い患者さんも度が過ぎれば受け入れられません。

良好な関係が築けず、それでいても専門職者として冷静に正しく対応しなければなりません。なかなか平静を装いケア出来なくなることもあります。

看護師でも、医療職者でも人間です。全ての要求を受け入れ関われるものではありません。

不当要求や必要異常の謝罪要求に関しては、警察や法的措置を持って対応する場合もあるようです。

自分の身を護る為にも、行う業務は誠実に適切さを心掛けますが、それが通用しない事もある事を理解し、もし、モンスターペイシェントの脅威にさらされた場合、一人ではなくスタッフの力を借りて対応しましょう。