放射線科で身につくスキル

チーム医療の経験値

放射線科の看護師になると身につくこととして、放射線科特有のチーム医療の影響があります。放射線科では、検査にしろ治療にしろ、基本医師・技師・看護師と連携してチームを作り、チーム医療によって治療する方針を固めています。

他の診療科と比べて、はるかに人間関係を構築する能力を高めやすく、本来連携が難しい他の職種との連携によって専門知識を高めていくことができるのです。

専門知識と専門技術

医師や技師から放射線科特有の専門知識を得られやすく、勉強しやすい環境というのも一種のスキルになるかもしれません。

放射線科自体が最新医療の成果となっていますから、所属するからには、必死で学ぶ必要に駆られ、他の診療科よりも必死になりやすいのです。

放射線治療科の最新医療の知識と技術

放射線の検査部門は歴史がありますが、放射線治療科の歴史はそれほど深くなく、それに比例して、そこで働く看護師は知識、技術共に最先端である必要があります。

それだけでなく、放射線科での検査や治療に対して不安に思う患者さんから不安要素を取り除き、速やかに検査、治療を受けてもらう必要があるため、どの診療科にも共通する看護技術についても、かなりのものが要求されてきます。

加えて、放射線科の検査、治療どちらの部門にしろ、ナースが患者さんとの橋渡しになる必要が出てくるため、専門知識を持っていないと対応できないこともあり、学ぶことが奨励されています。

それに合わせて、将来、下記で紹介する認定資格を得たい場合、放射線治療科、もしくは専門の医療機関において既定の数の症例を担当する必要があります。

放射線科看護師の関連資格

認定IVR看護師

放射線科で働く上でのキャリアアップ資格として、2008年に作られた認定IVR看護師があります。その目的は、放射線科の看護の林鐘実践力を向上させる目的で作られた専門資格です。

※現在では、日本心血管インターベンション学会(CVIT)との合同認定という形で、インターベンションエキスパートナースという名称に変わっています。

IVR(Interventional Radiology)とは、放射線診断技術の治療的応用のことで、放射線科で行う画像検査(X線透視像、血管造影像、US像、CT像など)を駆使して、カテーテルや針を患者さんの体内に入れて治療を行います。IVRの技術によって、外科手術とは違って患者さんへの負担が少なく、正確に病気の原因箇所を治療することが可能になります。

認定資格の受験要件は、正看もしくは准看の資格を有していること、IVR学会の専門医のもとで、100例以上のIVR看護の経験を持つこと、日本IVR学会のIVR看護講習会に2年間のうち1回以上受講していることとなります。

更新制の資格のなので、最先端の知識を身につけるために定期的に講習会を受ける必要があります。受験資格の100例以上の看護経験を満たすことが難しい場合、専門の医療機関へ転職する必要が出てくる場合もあり、かなり厳しい条件であることが分かります。

講習会は、都市圏で月に2回の頻度で開催されており、事前に日本IVR学会のスケジュールを確認しておくと、受講が速やかにできるでしょう。

がん放射線療法看護認定看護師

放射線科における認定看護師として、がん放射線療法看護認定看護師があります。

2010年に誕生した認定資格で、放射線治療科におけるナースの専門知識のニーズの高まりを受けて作られました。放射線療法を患者さんに対して安全に、効率的に実施される看護ケアを目指した認定資格です。

放射線療法はもちろんのこと質の高い看護ケアが必須とされています。がん患者さんとその家族に対し、個別的、全人的な看護を行う目的となっています。

受験資格は看護師資格を取得した後に、実務経験を5年以上積んでいること、3年以上はがん放射線療の分野で実務を積んでいること、看護協会が認定した教育課程を修了することで得られます。

この資格を持つことで、がん放射線療法の高い専門知識を得られるため、放射線治療科において医師や技師と一緒になって治療内容や治療方針を考えるスタートラインに立つことができます。特に転職にはかなり有利とされ、医療界でも広く認められた資格となっています。