仕事は楽?辛い?

放射線科は他の診療科と違い、特殊な分野なので、仕事に慣れるまでは大変かもしれません。その代わり、慣れてくると楽と感じる方もいるでしょう。放射線治療科の場合は、がんの放射線治療など、先進医療に携わることができる分野です。放射線を用いた診断や治療は、IVRをはじめとして、近年、次々と新しい技術が開発・導入されています。そのため、勉強も大変です。上司に、「認定看護師の資格を取りませんか?」と言われるかもしれません。医療の最前線に携わることができることにやりがいを感じ、長く勤務している看護師もいます。また、がん治療では、医師、放射線技師などさまざまな職種・部署と連携を取りながら、チームを組んで看護を行っていきます。こうしたことにやりがいを感じているナースもいます。


向いている人は?向いていない人は?

放射線科で検査や治療を受ける患者さんは、特殊な診療科でなじみがないといったことや、放射線を使うといったことから、不安や心配を持っている場合が多くなっています。こうした患者さんの気持ちを理解して、わかりやすく説明し、患者さんに納得して検査や治療を受けてもらう必要があります。事務的な対応ではなく、相手の立場に立って対応ができる人が向いているでしょう。新しいことや自分の知らないことを学んでいこうとする、向学心や向上心がある人も向いています。現在のところ、放射線科の看護師になるには、総合病院や大学病院などでの勤務が近道となります。こうした大病院で働くのに抵抗のある人には、向いていないかもしれません。


どんな求人を選ぶべき?

給与、勤務時間、勤務地など、勤務条件が自分に合った求人を選ぶことは大切ですが、放射線科は特殊な診療科目である上に、病院によって、力を入れている診断や治療も違います。自分が勤務したいと考えている放射線科では、どのような診断や治療を行っているのか、調べておくようにするとよいでしょう。また、求人数が多いわけではありませんので、求人情報には敏感になっておきましょう。


大学病院、総合病院、クリニック、それぞれの違いは?

放射線科の場合、総合病院や大学病院が、看護師の主な活躍の場となります。病院に放射線科があっても、検査が主なところなどは、専任の看護師を置かず、外来や病棟の看護師が手伝う場合もあります。都市部には、放射線科を標榜するクリニックや診療所もあり、放射線による検査や、治療を行っています。クリニックや診療所の場合、検査のみであったり、がん治療を専門にしたりといった、放射線科の一部に特化している場合が多くなっています。


どうしても放射線科で働きたい人はどうしたらいい?

残念ながら、いつも希望通りの配属になるとは限りません。患者さんにとって最適の看護を提供していくことは、放射線科であれ、ほかの診療科であれ、変わりはありません。看護師にとっては、どのような経験であっても、無駄なことはありません。ショックがあるかもしれませんが、将来に向けての勉強や経験を積む期間と考えて、配属された診療科で勤務してみるのもひとつの方法です。どうしても働きたい方は、放射線科専任の看護師を募集している求人を探し、転職することを考えたほうがよいでしょう。ただし、放射線科の専任看護師は、大学病院や総合病院など、規模の大きな病院が主な勤務先となっており、ほかの一般的な診療科の場合と転職事情が異なることは、念頭に置いておきましょう。2010年に、がん放射線療法看護認定看護師が制定されたこともあり、今後は、活躍の場が広まっていくとも考えられます。常にアンテナを張って、関連情報を見逃さないようにしましょう。


未経験の看護師でも働ける?

放射線科は、特殊な診療科であり、入職時に初めて経験する看護師も少なくありません。放射線科に専任の看護師を採用している病院は、ほとんどの場合、規模の大きなところです。教育制度や研修制度を充実させているところも多くあります。未経験で心配や不安があれば、どういったフォローがあるのか、問い合わせてみるとよいかもしれません。


アルバイトやパート勤務はある?

アルバイトやパートなどの、非常勤での募集もあります。日勤での勤務が基本ですが、勤務日数や時間については、応相談の求人もあります。


夜勤は多い?日勤のみでも働けるの?

放射線科の場合は、緊急時以外、外来勤務と同じ、日勤帯での勤務のみとなっているところも多く、子育て中や家庭の事情などで夜勤が難しい看護師でも、活躍できる診療科となっています。勤務条件だけで考えると、日勤のみで働きたいと考えている看護師にとって、魅力的な職場のひとつかもしれません。病棟に放射線科がある場合は、ほかの診療科と同じように、夜勤もあります。