神経内科にかかる患者さんは、特定疾患や難病、まだ診断法や治療法が確立されていない疾患を抱える方がいます。
脳腫瘍、脳血管障害、てんかん、パーキンソン病、神経難病である筋ジストロフィーなどは最近耳にするようになりましたが、まだまだ周知されない疾患が多い特徴があります。
此処に勤務する看護師は、特別で、未解決分野に対応する専門的知識と、その疾患を抱える患者さんの苦痛なく快適に生活する日常生活を支援する技術を必要とします。
進行する疾患により、徐々にセルフケアが出来なくなる患者さんがいたり、呼吸や生命維持にまで関わる重症患者さんがいたりと、生命、精神に深く配慮できる看護技術が必要です。
では、此処で必要な看護師としての技術や知識、勤務姿勢について理解しましょう。
必要な看護技術・知識
神経内科では、脳神経組織のどの部分に異常があるのか、何が原因でその症状を呈しているのかを探るところから治療が始まります。
しかし、症状から考えられる疾患や、確定に至る検査が解明されない疾患もあり、て探る状態での医療介入となる事もあります。
脳波検査
脳の電気信号をとらえ、その異常や異変を察知する検査です。
精神的な疾患や、脳神経障害、脳血管障害などの特定や、脳のどの部分や損傷しているかを発見する事が出来ます。
ゆったりと休める状況を作り、深い眠りに入った状態で行う為、検査の意図や方法、注意点を患者さんに事前に説明できる知識が必要です。
その装着装置の取り扱い法も熟知しておく必要があります。
睡眠薬等を利用し、検査する事もある為、その前後の注意点や、薬服用後や帰宅や病棟に帰る際の移動中の注意事項などについても説明し、また、付き添い転倒や事故が無いようサポートする知識と技術が必要です。
人工呼吸器管理
呼吸状態の悪い患者さんや、呼吸金の障害を呈する患者さんについては、本人とご家族の了承のもと、人工呼吸器が装着される場合があります。
人工呼吸器の設定に関しては医師の指示に基づきますが、日常的な管理や設定の確認、装着中の固定や皮膚トラブル、吸引操作などは、看護師が行うこととなります。
よって、人工呼吸器の取り扱い法と、装着中の看護技術が必要です。
また、安全な固定法やずれや抜けのない管理法、抜けが生じたり、機械異常の際の対象法をマニュアル、手順を確認し、対処出来るよう準備が必要です。
マッサージやリハビリ技術
神経内科の患者さんは、日々進行する症状を食い止めたり、残存機能に働きかける為にリハビリテーションを行います。
正しいリハビリテーションで、安全に機能維持が図れるよう支援したり、「どうせ良くならない」などと自暴自棄になる患者さんのメンタルケア技術が必要です。
また、癒しや安心感に働きかける技術として、マッサージなどの知識や理解があれば、患者さんを襲う強いストレスから解放出来る関わりが出来るでしょう。
日常生活支援
患者さんの「出来る」「出来にくい」「出来ない」をアセスメントし、そのできない部分を補う日常生活支援が必要です。
何でも手伝う姿勢ではなく、残存機能を充分に発揮させ、機能低下しないよう、機能低下を食い止められるよう関われる支援が必要です。
また、脳神経系の疾患である為、「今日は出来ない」かもしれませんが、明日は出来るかもしれません。
その可能性を考慮し、支援する知識や観察力も必要です。
そして、徐々に出来なくなっている事を患者さんが気付き、意欲低下を来たさないよう、精神的支援やコミュニケーションにより心の支えとなれる事も看護師に必要な事です。
まとめ
神経内科の患者さんは、難しい疾患にかかり、治癒する事が無いと感じたり、閉鎖的になる事があります。
此処で看護師に必要なことは、看護師自身が元気で患者さんと関わることかもしれません。
落ち込む患者さんの一筋の光となり、前向きに治療とリハビリが行える関わりやコミュニケーション技術も必要なのかもしれません。
専門性が高く、専門家でも難題とされる領域の神経内科では、看護師の疾患や患者さんの安楽に関するチャレンジ精神も必要です。
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