1.目的と適応

糖尿病の治療方法として用いられ、高血糖状態を改善させることを目的とする。

インスリンの適応

1)絶対的適応

  • Ⅰ型糖尿病…インスリンの分泌がほどんどない状態
  • 糖尿病合併妊娠

2)相対的適応

  • Ⅱ型糖尿病…血糖コントロール不良

インスリンの種類

  1. 超即効型…超即効で効果が出現するため食直前に投与
  2. 即効型…食前30分前に投与
  3. 混合型…超即効+中間型、即効型+中間型の2種類があり、前述は食直前、後述は食前30分前に投与
  4. 中間型…作用発現時間は約1~3時間、作用持続時間は18~24時間
  5. 持続型…1日安定的に作用が持続する

個々の患者の補うべきインスリンの量やタイミングにより、単独あるいは組み合わせて使用する。

また、注射部位によっても吸収速度は異なるため、腕、腹部…と穿刺部位を変えると血糖コントロールが難しくなる。

2.必要物品

インスリン自己注射

  • ペン型注入器
  • アルコール綿
  • お針箱

簡易血糖測定

  • 穿刺キット
  • 血糖測定器具
  • アルコール綿
  • お針箱
  • 記録ノート

3.手順

インスリン自己注射

  1. 必要物品を準備する
  2. 注入器をよく振る
  3. 白濁している場合は薬剤を均一にする

  4. ゴム栓を消毒する
  5. 注射針を取り付ける
  6. 空打ちをする
  7. 針先を上に向け空打ちすることで空気を抜く

  8. 処方されている単位をセットする
  9. 穿刺部位を決め、消毒する
  10. 中心部から外に円を描くように消毒する

  11. 穿刺する
  12. ・皮膚に対し90度の角度で穿刺する
    ・単位の表示が0になるまで針を抜かない(薬液が予定量出るまでに時間もかかるため)

  13. ペン型注入器を片づける
  14. ・針ケースを取り付け針をはずす
    ・注入器にキャップをつけ終了

簡易血糖測定

  1. 必要物品を準備する
  2. 測定用のチップを測定器のセンサーに取り付けておく

  3. 穿刺部位を決定する
  4. 穿刺部位を消毒する
  5. 穿刺する
  6. 穿刺キットを指に押し当て、穿刺ボタンを押す

  7. 血液を出す
  8. 無理に血液を絞り出すと正しい数値が得られないことがある

  9. 血糖値を測定する
  10. 記録ノートに血糖値を記入する
  11. 片づける

4.合併症

  • 低血糖
  • 使用するタイミングがズレたり、使用量を間違った場合に生じる。角砂糖やキャンディーを舐めてブドウ糖を補う必要がある。

ワンポイントメモ

注射部位は毎回少しずつズラしていくことで、皮膚の硬結を防ぎインスリンの吸収力を保つことができる。