フライトナースという仕事はドクターヘリで運ばないといけないような深刻・緊急で処置を必要としている患者を対象にして、看護ケアを行っていく必要があります。

このため、通常よりも救急医療に関する高い専門性が要求されるといっても良いでしょう。

フライトナースになりたいけれども、どのように勉強すればいいのかわからないという人のために、日本全国で研修なども実施しています。

研修に参加するなどして、自分で専門的な知識・スキルを勉強することも将来フライトナースになるために必要なことです。

救急処置に関する研修

フライトナースになるためには、救命処置に関する専門的な知識・スキルが要求されますので、関連する研修を受けましょう。

たとえば、BLSは成人への心肺蘇生法や気道異物の除去の方法、日本中でみられるようになったAEDの除細動について学ぶ研修プログラムとなります。

受講生とマネキンの比率は1:1となっているので、よりしっかりとした学習が行えるのは魅力といえます。

ACLSとは、アメリカ心臓協会の認定するプログラムで日本国内でも受講は可能です。心停止10分間にどのようなケアをすればいいのかについて、1~2日のスケジュールで学習します。

急性冠症候群や脳卒中を起こした患者のケアをするのに必要な知識を勉強できるでしょう。

JPTECとは、外傷死対策のための研修プログラムをさします。疾病者が死に至るまでの経緯や病態に関する外傷に関する研究はいろいろとなされています。

このような研究事例に基づき、容体の悪化を防ぐためにはどのような処置を行うべきかについて、学習できるカリキュラムになっています。

このような救命救急医療の世界で必要とされるスキルを学べるプログラムには参加しておきたいところです。

ちなみにフライトナースになるための条件ですが、日本航空医療学会のフライトナース委員会が基準を決めていて、以上の研修を受講していることが含まれています。

さらに各病院でプラスの要件を加えている場合もありますので、どのような研修をさらに受けるべきかをチェックしておきましょう。

同乗ができる研修もある

フライトナース研修の報告などを見てみると、ドクターヘリに同乗できるようなプログラムも紹介されています。

実際にドクターヘリに乗り込むことによって、現場に到着する前にどのようなことを準備すべきなのか、現場ではどの程度の処置を施せばいいのかなどについて、身を持って経験できるのは今後フライトナースになろうとしている人にとって貴重でしょう。

その他にも施設間搬送や出動要請があったのちのキャンセルなどの経験も、場合によってはできるかもしれません。

中には現場やヘリの中で救命措置も研修参加者が一緒になって参加できるようなものもあり、自分がフライトナースになった場合のより具体的なシミュレーションのできるカリキュラムもあります。

このような研修の体験談も書かれていて、内因性疾患の患者のためのドクターヘリの出動の経験が紹介されていました。

現場に到着後速やかに救命措置を開始して、搬送先の病院まで安定した状態で搬送させる、もし容体の急変が起きた場合の処置の仕方などをつぶさに観察することができたという意見も見られました。

ドクターヘリに同乗できるような研修があれば、どんどん積極的に参加したいところです。

ただしフライトナースになった場合、ありとあらゆるケースに携わることが想定できます。

このためフライトナースで活躍している人の意見を見てみると、「フライトナースになってからの方が勉強になることはたくさんあった」というものもしばしば見られます。

研修をいろいろと受けても完ぺきではない、仕事をしながら学ぶべきものもまだまだたくさんあるということも頭に入れて、研修に参加してフライトナースに必要な知識・スキルを身に着けるように心がけましょう。