看護師としての仕事は楽しいけれど、侵襲性の高い医療行為をする場合など、責任の重圧に押しつぶされそうになることはありませんか?
そんなストレスが続くと、看護師を辞めようかと悩んでしまうことにもなるかもしれません。
どんな瞬間に責任の重さを感じるのか、どうやって現状を解決すればいいのかをまとめてみました。
責任が重大な場面
手術室へ送り出すとき
これは、看護師として経験を積んでいる人であれば、ピンとくるかもしれません。
日本の医療安全が、本格的に動き出すきっかけになった、「患者を取り違えて手術をした」事故をご存知でしょうか。
約20年も昔の話なので、新人看護師さんなどは知らないかもしれません。
この事故では、いくつものエラーが重なり、結果的に2名の患者の手術を逆に行ってしまいました。
具体的には、心臓の手術を予定していた患者に肺の手術を、肺の手術を予定していた患者に心臓の手術をしてしまったのです。
そして、それは術者だけの問題ではなく、手術室に送り出す看護師の対応にも問題がありました。
現在では、ネームバンドの着用など、防止策が幾重にもとられていますが、この責任重大な場面に負担を感じている人はいませんか?
もしかすると、慣れた業務の一部として、責任すら感じないかもしれません。
しかし、不特定の人が多く行きかい、なおかつ侵襲性の極めて高い医療行為を行うこの場所は、相当に責任が重い場面なのです。
急変対応をするとき
これは一番わかりやすいかもしれませんが、患者さんの命に係わる問題に直面した時こそ、責任の重さやつらさを実感しますよね。
自分の対応一つで、その人の一生が左右されるかもしれないわけです。
そう考えると、とてつもない恐怖と不安に駆られるのは当然のことでしょう。
また、これに関連しては、いつ発生するかもわからないため、常に対応可能な状態にしておくことへの責任も伴います。
トレーニングを積むことで、過度な緊張をすることはなくなると思いますが、責任は永遠に付きまといます。
特に責任という視点で言えば、急変への対応は、経験を重ねれば重ねるほど、役割が重要になり、責任の重さを自覚してゆくものではないでしょうか。
看護師という職業は、本当に責任も負担が大きいものですね。
常に責任を感じる!!
特徴的な二つの例を先に挙げましたが、実際のところ、実はすべての場面において、責任が重いと感じるというのが本音ではないでしょうか。
あらゆる医療行為においても、責任を伴いますし、一歩間違えれば、重篤な結果に至ることも少なくありません。
たとえば、薬の投与を例に挙げてみましょう。
投与すべき薬でないものを渡してしまった時や、患者さんを間違えて投与してしまうなどの場合には、結果の重大さが容易に想像できると思います。
しかし、そのような明らかな問題だけでなく、伝票の読み間違えなどによる投与量のミスや、休薬情報の見過ごしなど、思わぬところにも落とし穴はあり、正確な情報を責任を持って収集することが、常に求められます。
これは、看護師である以上、ある程度は避けられない問題でもありますが、場合によっては、ある程度のつらさを減らすことも可能です。
具体的にどのようにすれば良いか、次の項目をご参考にしてください。
看護師を辞めずに解決するには
比較的、医療行為の少ない部署に移動
現在の職場が特に責任を重く感じると悩んでいる場合には、まずは部署を変えるということで対応することができます。
たとえば、急変が多く起きる外科系の病棟で働いている場合には、内科系に異動するなどです。
外科系の職場はどうしても医療的処置がメインになりやすく、こなす数も多くなりますが、内科系の職場であれば、選択によってはほとんど医療行為をする必要がありません。
具体的には、精神科や、糖尿病内科など、慢性期の患者さんを対象に治療を行う部署が良いと思います。
他にも、外来など、比較的医療処置の少ない部署を選ぶことで、つらいという悩みは解消されるのではないでしょうか。
私の同期も、以前、同じように悩み異動しました。
経験を積むことで、ますます求められる医療行為への責任に負担を感じて、看護師を辞めようかと悩んでいたからです。
もともと、医療処置の特に多い部署でもあったので、そこよりも処置が少ない部署という選択肢は、かなりありました。
異動してからは、過剰な重圧に苦しむことなく楽しく働けると言っていました。
もし、あなたが同じような状況であるなら、とりあえず異動してみることをおススメします。
同じ施設でも部署が違うだけで、全く違う印象を受けるかもしれませんので。
医療行為の限りなく少ない職場に転職
異動先など選択肢のない職場の場合には転職することも良いと思います。
医療行為が限りなく少ない職場も数多くあります。
例えば、介護通所施設などです。
デイサービスなどの日常生活の補助を行う職場であれば、投薬など、場合によっては多少の医療行為が発生することもありますが、それほど重い業務はないでしょう。
また視点を変えて、検診業務なども良いかもしれません。
検診業務は予防医学が中心ですので、それほど責任重大な場面もないはずです。
一点だけ、採血が必要な場合があるので、その点に負担を感じないことが前提になります。
採血は日常的に行われる医療行為ですが、神経損傷などの事故が稀に発生するため、責任を伴います。
とはいえ、発生頻度は少ないことと、他の医療行為にも、同様にこのようなリスクは存在するので、必要以上に恐怖に感じる必要はないと思います。
さらに、医療機関を出て、一般企業などに努めれば、医療行為は一切ありません。
そのため、責任を感じる必要もないので、一切責任を感じたくないという場合には、検討してみてはいかがでしょうか。
最後に
これまで何度も記載していますが、看護師として働く以上、一定の責任は避けられません。
これはプロとして、求められているものですし、一人ひとりが持ち合わせるべき信念です。
しかし、過剰な負担から看護師を辞めたいと悩むくらいなら、できるだけ自分にあった職場を自由に選択するべきです。
長く楽しく働けるように、お役にたてれば嬉しいです。
早めの行動が◎
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