4人に3人が辞めたいと思いながらも働いている職種、それが看護師です。
看護師の仕事はしんどいことで溢れています。

不規則な勤務シフト、長時間労働による疲労、人手不足なのに増え続ける業務、サービス残業や休日出勤、急変の恐怖、人間関係によるストレス、先輩や上司からのパワハラ…

挙げ始めればきりがありません。

毎年5万人の新人看護師が誕生する一方、約2万4千人の看護師が退職しているという事実からも分かるでしょう。

特に仕事に就いたばかりの新人看護師の精神的身体的負担は大きなものです。

職場に慣れるだけでも大変なのに、その上患者さんの命という大きな責任も負わねばなりません。

経験も知識もまだついていない新人看護師時代、ミスをおかしてしまったり、プレッシャーから体調を崩してしまう人もたくさんいます。

大きいことから小さいことまで、しんどいことはたくさんあります。

思わず涙がこぼれてしまうようなつらい現場に遭遇することもありますし、新人看護師ならではの「え?こんなことにも気を遣わないといけないの?」というようなちょっとめんどくさい場面もあるでしょう。

今回は新人看護師なら誰もが経験するような、「新人看護師ならではのしんどいあるある」を5つご紹介したいと思います。

あなたもきっと経験済み?新人看護師・5つのしんどいあるある!

①静かなる先輩からのプレッシャーpart1、明日はどの患者さんを受け持ちたい?

新人看護師としてある程度経つと、一人立ちして複数の患者さんを受け持つようになります。

そうなると毎朝ドキドキするのが、担当患者さんをボードで確認する瞬間です。

  • 処置やケアがたくさんの患者さんだったら…
  • あの患者さん採血しづらいからちょっと苦手…
  • まだしっかり勉強できてない病態の人が受け持ちだったら…
  • この患者さんの担当医、愛想悪いからあんまり関わりたくないんだよな…

経験を積めば処置や人付き合いも上手にこなす方法が分かってきますが、新人看護師はなかなかそうはいきません。誰にだって苦手意識はあるはず。

そんな中、リーダーさんからこんなことを聞かれます。

「明日の患者割り振りしてるんだけれど、誰をみたいとかある?」

「軽い患者さんがいいです」
…なんて元気に言えるはずもありません。

先ほどの質問の直訳はこうです。

「新人看護師なんだから、勉強できる患者さん率先して担当してみない?」

ということで、答えはおのずと決まってきます。

  • オペ出し予定の患者さん
  • ルートが沢山ついている患者さん
  • 処置やケアが多めの患者さん

一筋縄ではいかない方々を担当させていただき、勉強させていただくのです。

結果的に自分のためになります。がしかし、やはりしんどいのには変わりない。

この場合はもういっそのこと考え方を逆にしてしまいましょう。

複雑な病態の患者さんウェルカム!
勉強させてくれてありがとう!
今勉強しておけば、あとで困らないよね!

そうです。前向きに対処していくのがこの際一番ベストな切り抜け方なのです。

②静かなる先輩からのプレッシャーpart2、この患者さんは誰が受け持つ?

新しく患者さんが入院してくると、受け持ち看護師を決めますよね。その場面においても、新人看護師は気を遣います。

「この患者さん誰に受け持ってもらおうか」

リーダーがそんなことをぽつりとつぶやいているのを耳にしてしまったあなた。これはもう「私やります!」と言わざるを得ない状況です。

たとえ人より受け持ち患者が多くとも。
たとえ今日の仕事がまだ残っていようとも。

だって新人看護師なんですもの。私が受け持つべきなんですよね。空気読みましたよ!

新人看護師はとても気を遣うのです。

今ここで大変な思いをしておけば、あとで報われる時が来るはず。そう考えてこの場面も前向きに乗り切りましょう。

③答えに困るんですけれど…「そのやり方誰に教わったの?」

とっても困ってしまう先輩からの質問にこんなものがあります。

「そのやり方、誰に教わったの?」

どうして同じ病棟内で、看護師によってやり方がこんなに違うのでしょうか。自分のせいではないのに、なんだかとてもせめられているような気になります。

先輩によってやり方が違うのは仕方がありません。

しかし、それが原因で責められても私の責任ではないですから!素直に教えられた通りにやっているだけなのに…なんだか理不尽さを感じてしまうこと、ありませんか。

理不尽を感じたら、あとで同期で愚痴大会を開催しましょう。

これは立派な情報共有の場となります。あなたが感じた理不尽を同期が感じないためにも、ぜひ有意義な場にしましょう。

④早く帰りなさい!と言われても…すいません、まだ終わってません

新人看護師はなるべく定時に帰らせる。これは先輩が師長さんから言われていることです。なので、日勤の終了時刻を過ぎると先輩看護師からこう言われます。

「はやく帰ってね」

…できるものならやってますから!
終わらないから残っているのです。

新人看護師は時間配分がまだ上手にできません。一生懸命やっているはずなのに、どうして時間内に終わらないんだろう。先輩はなんであんなに要領よく仕事が出来るんだろう。

早く帰りなさいという前に、時間内に仕事を終えられるコツを教えて欲しいものです。

では素直にそう言ってみましょう。

「どうしても時間内に仕事が終わらないんです。先輩は新人の時どうやっていましたか?」

分からないことは素直に聞いてみる。これは新人看護師の特権です。

⑤新人看護師の宿命 送迎会の出し物と幹事

出し物担当と幹事。これはもはや新人看護師の宿命です。

納涼会、クリスマス会、忘年会、新年会、歓送迎会…

イベント事の幹事と出し物。仕事の後にファミレスに集合し、寸劇を考えたり、踊りの練習をしたり、替え歌を作ったり…。

新人看護師だからこそできるノリというのももちろんあります。にしても大変です。

普段お世話になっている先輩や先生に楽しんでもらええて少し距離が縮まるというメリットもありますが、それ以上に重圧の方が大きいのは言うまでもありません。

看護師は知識の豊富さや要領の良さと同じくらい、一発芸も大切ということを身を持って学ぶ1年間となるでしょう。

でも大丈夫。この1年さえ乗り越えてしまえばこっちのものです。来年新人看護師さんが入ってきたら、もうお役御免です。

最初で最後の1年間と思って、乗り切りましょう。

笑い飛ばせないようなしんどい状況だってある。そんな時は…

新人看護師ならではのしんどい場面を5つご紹介しました。

今回は深刻ではないものばかりをお伝えしましたが、笑って終わらせることができないようなしんどさを感じる場面もあるでしょう。

先輩や同期に相談して解決するのであれば良いのですが、どうしても解決できないという場合は、転職して環境を変えてみるというのも一つの方法です。

どのような状況であったとしても、必ず解決の糸口はあるはずです。前向きに対処していってくださいね。