私って、なんてできない新人だろう… 看護師向いていないのかな…
いつも気持ちが沈んでる。このまま、うつ病になったらどうしよう…
これ、私が新人時代に日々思っていたことです。同時に、多くの看護師が同じように落ち込んで、それを乗り越えているのです。
看護師という職業は、言うまでもなく人の命を預かる仕事です。ちょっとしたミスが、大事故につながります。
そのため新人だからといって甘やかされることはなく、新人看護師には地獄のような1年となるのです。
でもね、考えてもみてください。
新人看護師にどれだけの精神的・身体的負担がかけられているか。新人看護師には、3つの“新”が付きます。
- 看護師としての新人
- 社会人としての新人
- その部署での新人
この全てがそろうのは、学校を卒業して就職したばかりの新人看護師だけです。
来年になれば新人看護師ではなくなりますし、社会人としても2年目に突入します。その部署のやり方にも慣れて来ます。
新人看護師が辛いのは、この三重苦があるからです。社会人としての立ち居振る舞いだってわかりませんから、先輩をカチンとさせることもあります。
看護師人生で1度しかない三重苦の1年を、楽しく過ごせるはずはありません。だから、誰もが自信を失くすし、うつっぽくなるのも当然なのです。
むしろ、1年目は落ち込めるだけ落ち込んだ方がいい。1年目で自信をもってしまうような人間ではその先の成長は見込めませんし、楽しく働いているという人はいつか大事故を起こしかねません。
あなたがうつ病かもしれないと思っているのなら、それは真面目に仕事をしている証拠であり、鍛えられている証拠でもあります。
あなたをいびる怖ーい先輩だって、そんな新人時代を経ている・・・と思うと、少し気持ちが楽になりませんか?
医療業界は、みんなブラック!?
ブラック企業という言葉が当たり前のように使われる時代になりましたが、言ってしまえば医療業界は業界全体ブラックです。
残業なんて当たり前だし、その残業すら自分の能力不足のせいにされて、新人看護師に残業手当なんて付きません。目の前で患者さんの状態が悪化したら、当然残業です。
何より新人に対する指導は非常に厳しく、それは勤務時間内だけにはとどまりません。
勉強会や自宅学習も含めると、仕事でガチガチに管理されてしまうのが新人看護師の1年なのです。他の業種の新人に比べると、何て厳しい世界なのでしょう。
おまけに、指導する先輩の多くが同じ20代もしくは30代。少ししか年の変わらない先輩に、これでもかと辛い言葉を浴びせられる・・・。なんでそんな言い方されなくちゃいけないの!?って思いますよね。
わかります。
私も散々経験しましたから。
でもね、看護師としては新人かもしれませんが、人としての器が先輩より劣っているわけじゃありませんよ。深呼吸して、こう言い聞かせてみてはどうでしょう?
「あの人威張ってるけど、器ちっさいなぁ」
「大人気ない」
「ただの八つ当たり」
全く可愛気のない新人だった私は、先輩から人格を否定されるようなことまでよく言われました。だから悔しくなったときには、こうやって先輩を見下ろす感覚で乗り越えました。(心の中だけですよ!!)
でもね、言い方は厳しかったり心ない言葉だったりするかもしれませんが、本当に教えたくもないし関わりたくないと思っているのなら、先輩達は教えません。
そんな暇があるならさっさと自分の仕事を片付けるとか、あえてミスするのを黙ってみているはず。
もし厳しい指導のせいで「自分はうつ病なのかもしれない」と思うくらいに落ち込んだとしても、看護師に向いてないとか考えなくてもいいですよ。
厳しい指導はあなたの看護師としての成長を期待してのことなので、あながち「ブラック」とも言えないし放置されるよりよっぽどありがたいことですから。
看護師人生には新人時代以上の辛さはない。と思えば乗り切れるかも
私が新人看護師のときは生意気な上にできないヤツということで、それはそれは厳しい指導を受けました。
その後、あまりにも新人看護師の退職者が多いため、病棟メンバーがほぼ解散させられたほどです。私のときにやって欲しかったですよ、ホント。
「来年になればまた新人がくるから、辛いのは今だけだよ」なんて優しい言葉もときにはかけられましたけど、こっちは来年どころじゃありません。来週働いているかすらわからない。
だから、とにかく今日のことだけを考え、家についたら次の休みまであと2日だなとか、そんな具合に目の前の1日だけを考えるようにしていました。
その甲斐あってか、地獄の1年を無事乗り越えることができました。
15年以上にも及ぶ私の看護師人生で、あの新人時代ほど辛いものはありません。あまりに辛過ぎて、あの1年を乗り越えたならなんでもできるという自信になっています。
だから、毎日が辛くて「自分はうつ病じゃないか?」「看護師やめようかなぁ」なんて悩んでいたとしても、それはあなたが弱いせいではありません。
この1年が人生で1番辛い1年といっても過言ではないのだから。
これ以上辛い年はないと思ったら、少し希望が見えてきませんか?新人時代を乗り切ったら、急に楽になります。自分だけではなく先輩達の異動で、状況が劇的に変わるかもしれません。
本当にしんどかったら、逃げたっていい!
やれるところまで頑張ってみたけれど、やっぱり苦しくて苦しくてもうダメだと思ったら、そのときは潔く辞めちゃえばいいですよ。
退職しても、看護師資格をはく奪されるわけではないのだから。
少し休んで気持ちが落ち着いたら、転職して別の医療機関で再スタートすればいいんです。あなたが辛かったのは、職場のせいかもしれないのだから。
ただし、1年目の途中で辞めた人より、2年・3年と経験してから転職する方が選択肢は広く、条件は確実によくなります。
また、転職先でも受け入れられやすくなります。だから、できるだけ最初の職場でやれるところまで続けて欲しいと思います。
三重苦の新人時代は苦痛でしかないかもしれませんが、頑張れるところまで頑張って、ダメだと思ったら逃げてしまえばいいと思います。
でもね、看護師は辞めないでいて欲しい。あなたを必要としている人は、必ずいますよ。
早めの行動が◎
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